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ヨーロッパには壮大が都市が多くある。例えば「光の街」(パリ)、「百の尖塔(せんとう)の街」(プラハ)、「紫冠の都」(アテネ)などだ。しかし「死者の街」がどこだか分かるだろだろうか。知る人はおそらくそう多くはないだろう。
なぜなら、それは今まで一般公開されていなかったからだ。「トリオンファーレ通りのネクロポリス」(以下、ネクロポリス)と呼ばれるこの場所は、バチカン市国の下にある古代ローマの埋葬地。1956年に発見され、2003年からは許可された専門家と学者などが入れるようになっていた。
しかし、その一般公開が2023年11月17日からスタート。旅行者などがセントローズゲートに新たに完成した入り口からネクロポリスに入り、「カエサルのローマの生と死」と題された新しい展示を観ることができるようになったのだ。
ネクロポリスの壁には、開かれた埋葬墓、大理石の石棺(ローマ時代のひつぎ)、驚くほど古いモザイクとフレスコ画(壁画)がある。奴隷、解放奴隷、およびローマの職人たちを収容するこの埋葬地は、紀元前1世紀から4世紀までのものと考えられている。
専門家のレオナルド・ディ・ブラージはユーロニュースに対し、「このネクロポリスは学者たちにとって信じられないほど有益な情報源。その時代に生きた人々の伝統や儀式をより深く理解することができるようになった」と話している。
発見されたものの中には、石に彫られた「ポンペイウス劇場」の守衛の像も含まれる。彼の周りには、劇場のシーンを維持するために使用されたと考えられている大工道具も彫られているという。また、悪名高いローマの皇帝であったネロに従事したとされている人物の墓も特定に至っている。
いにしえの時代の生活について多くの空白をこのネクロポリスが埋めたのは、かなり素晴らしいことだといえるだろう。次回のローマ旅行の際は、この死者の街を訪れてみるのはどうだろうか。
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