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2022年9月1日(木)、「築地本願寺」の都内5番目の分院となる「佃島分院」の運用が始まる。同院は、8月1日に完成した地上9階・地下1階建ての「築地本願寺佃ビル」内の2階に本堂と事務所を構え、2020年4月に開設された。
同ビルは、通称「もんじゃストリート」の入り口に位置する浄土真宗本願寺派寺院の「佃島説教所」跡地に建設。建築資材の一部には、旧佃島説教所本堂の部材を使用し、新築ながら伝統が感じられる造りになっている。
1階には「築地本願寺カフェ Tsumugi」の姉妹店、「築地本願寺カフェ Tsumugi」(以下、ツムギ)」が入居するほか、誰でも使える「赤ちゃんフラット」(授乳室)やバリアフリートイレを設置。3〜9階は介護付き有料老人ホーム「ドーミー月島駅前」になる。
施設利用者や近隣地域住民に対して、僧侶が傾聴活動を行うことで、都市開教における新たな伝道・教化のモデルとなることを目指すという。また「葬儀、墓だけに頼らない寺の事業モデル」を実践するため、不動産事業を行い、テナントという形でカフェと介護付有料老人ホームを入居させた。
同院は、築地本願寺全体として保有する資産を高度活用し、積極的に運営していくことで、永続的な宗教活動を可能とすることを目的とした初めての事例だ。「これからの私たちの取り組みには注目が集まるかと思います。新しい成功事例として証明されて、今後のお寺の一つの形態として広がっていくことを期待しています」と築地本願寺宗務長の安永雄玄は語る。
1階に入居するツムギでは、「築地本願寺カフェ Tsumugi」で人気の「18品の朝ごはん」に続き、限定商品が登場予定。このほか、持ち帰り専用メニューを多数用意する。運営するプロントコーポレーションによると、今後は「和みの空間」を意識し、バラエティーに富んだドリンクとスイーツ、和の食事を提供する「和カフェ業態」として、全国に展開していくそう。
築地本願寺は、「開かれたお寺」のスローガンのもと、境内にカフェやショップが入ったインフォメーションセンターがあったり、コロナ禍ではオンラインで法要を受けたり、YouTubeチャンネルに法話をアップしたりするなどユニークな試みを数多く行ってきた。「佃島分院」という新たな挑戦がどう花開くのか、今から目が離せない。
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