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世界初、ドイツで水素だけで動く「エコな」旅客列車が運行開始

排出されるのは蒸気と凝縮された水だけ

Ed Cunningham
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Ed Cunningham
翻訳::
Time Out Tokyo Editors
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鉄道はすでに最も環境に優しい移動手段の一つとなっている。ディーゼルエンジンで走る列車でさえ、飛行機や自動車と比べれば、環境への負担が少ない。さらに、全てが電気、あるいは再生可能な電気で走る列車となれば、より「エコ」な移動手段となる。

しかし今ドイツには、環境への配慮において、さらに上を行く列車がある。同地で2022年8月下旬から、世界初の水素だけを動力源とする旅客列車の運行が開始されたのだ。その列車から排出されるのは、蒸気と凝縮された水だけ。とてもクールだろう。

この列車は「Coradia iLint」と呼ばれ、現在ニーダーザクセン州の路線で走っている。今走っているのは5編成だが、最終的には14編成になる予定だという。製造はフランスの鉄道メーカーであるアルストム社。同列車を走らせるための総予算は、9,300万ユーロ(約126億5,650万円)にも及ぶ。

こうした「ハイドレール(水素鉄道)」が注目されている理由は、必ずしも路線を電化する必要としない点にある。既存の線路を利用することができるため、理論上は世界中のあらゆる線路に導入することができるのだ。

また「Coradia iLint」の特徴は、ゼロエミッションだけではない。ディーゼル機関車よりもはるかに静かで、走行可能距離も最高速度も驚異的。時速140キロメートを出すことができ、1つのタンクで1000キロメートルの連続運行が可能だ。地域における鉄道運営に十分な性能といえるだろう。

この最先端の鉄道技術に触れたい人は、ニーダーザクセン州まで足を運んでみるといいだろう。「Coradia iLint」は、ブレーメンの北、ハンブルグの東に位置するクックスハーフェン、ブレーマーハーフェン、ブレーマーヴェルデ、ブクステフーデの各都市で運行されている。

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