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都心最大級となる開発プロジェクト、「TOKYO CROSS PARK構想」の始動が発表された。同プロジェクトは日比谷の内幸町エリア、約110万平方メートルを北地区と中地区、南地区の3つの地区で構成し、約16ヘクタールの日比谷公園とつなげる大規模な街づくりだ。三井不動産や帝国ホテル、NTT都市開発など、日比谷にゆかりのある企業10社が一体となって開発を行う。
構想では「日比谷公園と街をつなぐ」「都心主要拠点から多様な人が集まり、交わる結節点」「事業者10社の共創」の3つの「CROSS」の実現と、5つのテーマが掲げられている。発表されたテーマは以下の通りだ。
1. 人が主役の街づくり
メインプロジェクトとなるのが、日比谷公園と街をつなぐ道路上空公園だ。公園と街をつなぐことで、一体的な人の流れが形成されることが見込まれる。そのほか31メートルの高さにある公園や銀座方面には大規模な広場なども設け、人々が出会い触れ合いながら新しいコミュニティーを作るパブリックスペースを整備する。
2. 街づくり×デジタル
分野横断型の「第三世代」スマートシティ実現に向けて、DTC(デジタル・ツイン・コンピューティング)を活用した高度な情報基盤を導入する。スマートシティを目指しながら、街を訪れる人や近郊で働くワーカーたちに価値を提供し、それを連鎖させることを目標にしている。
3. おもてなしが広がり、人が集う街へ
再開発に合わせて帝国ホテルの立て直しが発表されたが、ホテル近郊にはさらに3つのタワーが整備される。
帝国ホテルのある北地区には、帝国ホテル新本館とオフィスや商業施設、賃貸住宅などを備えたノースタワーを整備。中地区にはオフィスやホテルに加え、宴会場や産業支援施設などを備えたセントラルタワー、南地区にはオフィス、ホテル、ウェルネス促進施設から構成されるサウスタワーが誕生する。さまざまな集いの場を提供するだけでなく、このエリアに住むことの価値を提案していく予定だ。
4. すべての人々のwell-being
内幸町は都心にありながら、皇居や日比谷公園が続くことで緑が感じられるエリア。その五感で感じる地域の特性を生かし、人と人がつながる活動フィールドとしてウェルビーイングを実現していく。
5. 持続可能な街・社会へ
プロジェクトでは国が掲げる「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けた、都市部におけるフラッグシップを目標にする。当街区が一体となった電化と省エネルギーへの取り組みや、再生可能エネルギーの最適な組み合わせなどを行い、エネルギーの二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロの実現を目指す。
街のマスターデザインと空間づくりは、ロンドンを拠点とするPLPアーキテクチャーが担当。全てが完成するのは2037年度となる見込みだが、歴史ある帝国ホテルと日比谷公園を中心に新たな街並みが誕生するのを楽しみにしたい。
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