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おかしな衣装、奇妙な風景、古風なせりふ、ビル・マーレイ……。ある映像作品がウェス・アンダーソンが手がけたものかどうかの判断は、こうした要素を見ればすぐにつくだろう。
アンダーソン独特のテイストは、「ウェス・アンダーソンっぽいもの」という副次的なジャンルを成立させ、彼の映画に出てきそうなデザインやカラーリングのケーブルカーやビーチ小屋、淡いブルーのホテルロビー、アーガイルベストなどが見られるようになった。
純粋なファンから次のデザインの「ネタ」を求める人たちまで、多くが待望しているアンダーソンの新作『The French Dispatch(邦題:フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊)』は、世界各地で2021年10月に公開。これに合わせてロンドンのギャラリーである180 The Strandで、同作品についての展覧会が開催中だ。
ブルータリズム建築が特徴のこの展示会場は、アンダーソンの風変わりなテイストには合わないようにも思えるが、彼がここで展覧会を開催するのは初めてではない。2018年にアニメーション映画『犬ヶ島』に特化した展覧会を開催している。
今回の新しい展覧会で見られるのは、『The French Dispatch』のオリジナルセット、小道具、衣装、アートワークなど。また、映画に登場するカフェ、Le Sans Blagueのクラシックなフランス菓子も楽しむことができる。
『The French Dispatch』では、架空の新聞社によってリンクされる複数の物語が展開される。それらの物語とは、犯罪まで犯してしまう正気ではない芸術家の物語、1968年の学生暴動に関する物語、そして「ドラッグ、誘拐、美食」に関する物語の3つ。新聞社で働くのは変わっている人たちということで、我々タイムアウトのメンバーはすでにこの映画の大ファンだ。
展覧会は2021年11月14日(日)まで開催。チケットは180 The Strandの公式ウェブサイトで予約できる。
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