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まもなく2021年が終わる。今年の年末年始は他国の正月の祝い方を参考にしてみるのはどうだろう。ここでは、タイムアウト東京のデザイナーであるタイ出身のラリン・リムナシリ(Lalin Limnasiri)が、タイにおける正月に食べるものについて紹介する。具体的には「フォイトン」や「トンヨッド」という黄金色の菓子をよく食べるそうだ。一体どんなスイーツなのか、東京で手に入れることができる店とともに伝えよう。ぜひ参考にしてほしい。
「フォイトン」とは、鶏卵の黄身と砂糖でできている細い糸状の生菓子だ。「フォイトン」のトンは黄金という意味で、タイの人々にとって縁起の良い色とされている。そのため、正月のみならず、結婚式などの祝い席ではよく振る舞われるそう。この菓子は、アユタヤ王朝時代(1351~1767年)に日本人とポルトガル人の血を引く女性がタイの王室に伝えたもので、日本にある鶏卵素麺と遠からぬ縁があるのも面白い。
「トンヨッド」も同じく卵黄ベースの菓子で、涙型になっているのが特徴的。小判のような形は通貨を意味しており(諸説あり)、フォイトンと同じく縁起もので、タイではよく一緒に販売されている。いずれもたっぷりと砂糖を染み込ませており、かなり甘い。ラリンの家では、年の瀬から正月にかけて少しずつ食べるのだとか。
本国ではフォイトンもトンヨッドもさまざまな店に置いてあり、その選択肢は幅広い。専門店なら年末年始に行列ができるほか、街の屋台や食堂でも購入できる庶民的なスイーツだ。
東京では新大久保にある、タイのハラルスイーツ専門店であるルンルアン お菓子処と、タイを中心にエスニック食材がそろうアジアスーパーストアでいずれも通年で購入できる。
ルンルアンの店主によると、ほかにもタイのもち米にココナツを加え、寒天状に固めた『カノムチャーン』や、もち米とココナツとバナナの蒸しスイーツである『カイニュウサンカイヤ』なども正月によく食べるという。『カノムチャーン』は薄い層になっており、一段一段上がっていく様が昇進のイメージにつながり、仕事運向上の縁起菓子としてタイでは人気である。
同店の『フォイトン』は鶏卵の黄身と砂糖だけでできており、ふんわりとした食感と卵のコクと自然な甘さが疲れた体に染みる優しい味だった。
アジアスーパーストアでは、『トンヨッド・フォイトン』としてセットで販売している。ルンルアンのものと比べてかなり甘いので、茶やコーヒーなどとともに楽しむといいだろう。新たな年に向けて、新しい縁起物を取り入れれば幸先の良いスタートが切れるかもしれない。試してみては。
年末年始の営業は下記の通りなので、注意してほしい。
ルンルアン お菓子処:2021年12月25日(土)まで、2022年1月11日(火)から
アジアスーパーストア:12月31日(金)まで、2022年1月4日(火)から
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