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ミュージカルの殿堂「帝国劇場」の歴史に迫る展示が銀座で開催

貴重な資料や舞台衣装の展示のほか、「カフェ インペリアル」が復活

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Aya Hasegawa
帝国劇場展
Photo:Kisa Toyoshima | 展示風景
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ミュージカルの殿堂として知られる東京・丸の内にある「帝国劇場」が、建て替えのため2025年2月に休館。2030年に、3代目となる新たな劇場がオープンする予定だ。そんな「帝劇ロス」の中、「銀座三越」新館7階催物会場で「帝国劇場展~THE WORLD OF IMPERIAL THEATRE」がスタートした。

帝国劇場展
Photo:Kisa Toyoshima展覧会のアンバサダー井上芳雄と森公美子

閉館した帝劇は1966年開場した2代目。半世紀以上にわたり、350作品を超えるミュージカルと演劇を届けてきた。初代は1911年に開場。帝国劇場と三越の関係は古く、大正時代に三越がプログラムに「今日は帝劇、明日は三越」というコピーの広告を掲載している。

そんな両者のコラボレーションによる展覧会では、貴重な資料や、帝国劇場で上演された数々の演目で実際に着用された舞台衣装の展示に加え、多彩な企画を展開する。

帝国劇場展
Photo:Kisa Toyoshima展示風景
帝国劇場展
Photo:Kisa Toyoshima展示風景
帝国劇場展
Photo:Kisa Toyoshima展示風景

会場には、貴賓室や通称「座長部屋」と呼ばれる「5-1楽屋」を再現。2月に行われた帝国劇場最終公演日の「着到板」(劇場でキャストやスタッフが劇場入りしたことを知らせるための名札)も見ることができる。クロージング公演となったコンサート「THE BEST New HISTORY COMING」の出演キャストから寄せられた、帝国劇場への直筆メッセージなど、ファン垂涎の展示も用意している。

帝国劇場展
Photo:Kisa Toyoshima5-1楽屋
帝国劇場展
Photo:Kisa Toyoshima着到板

同コンサートは、2代目帝劇を彩ったキャストたちが集結して行われた。プラチナ席(特典付き)3万7,000円(以下全て税込み)、2階の最後列でも1万3,000円という料金ながら、チケットは瞬く間に完売。筆者も大枚をはたいて観劇したが、幕あいに多くの人たちが、ロビーを練り歩きながら2代目帝劇最後の雄姿をスマートフォンに収めていた。

会場には、オリジナルデザインの背景とフレームで記念撮影ができる「フォトブース」も設置。アクリルスタンドを置いて撮影するのにぴったりのフォトスポットもあるので、ぜひ持参して来場したい。

帝国劇場展
Photo:Kisa Toyoshimaフォトスポット

貴賓室を再現したコーナーでは、「帝国劇場アニバーサリーブック NEW HISTORY COMING」(5,990円)に収録されている、「レ・ミゼラブル」ゆかりのメンバーによる座談会の様子(一部)を放映。412日(土)は、初演のジャン・バルジャン役である鹿賀丈史と、2024〜2025年公演のバルジャン役である吉原光夫、佐藤隆紀、飯田洋輔による座談会を、13日(日)〜27日(日)は、同作の初演キャストである滝田栄、岩崎宏美、島田歌穂と、数々のミュージカルで音楽監督の山口琇也による座談会を放映する。

帝国劇場展
Photo:Kisa Toyoshima貴賓室

注目は、期間限定で復活する「カフェ インペリアル(Café IMPERIAL)」。銀座三越の銀座テラスルームに、実際に使用されていたイスとテーブルを使用し、シックな雰囲気を再現した。帝劇の本店同様、ドリンクをオーダーするとオリジナルスプーン、もしくはコースターがもらえる。さらに、1テーブルにつき「帝国劇場展オリジナルステッカー」を配布する。イートインは事前予約&40分制。座席料1テーブル21,100円だ。

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Photo:Kisa Toyoshimaカフェ インペリアルを再現
帝国劇場展
Photo:Kisa Toyoshimaカフェのメニュー

また、帝劇の売店で販売し、劇場の来場者たちの小腹を満たしていた、「帝劇名物幻の豚まん」(イートイン510円、テイクアウト501円)も復刻。もっちりとした皮に、豚肉やショウガ、タマネギなどを詰め込んだ豚まんは、すぐに売り切れてしまい、入手するのが難しいことから「幻」と名付けられた。

帝国劇場展
Photo:Kisa Toyoshima「帝劇名物幻の豚まん」

同展の入場券がなくてもアクセスできる、銀座三越(本館7階)の「銀座シャンデリアスカイ」には、帝劇で上演されたミュージカル53作品のタイトルが「着到板」として掲出。フォトスポットとして自由に撮影できる。

なお、開催は427日(日)まで思い出にどっぷりと浸りたい人にも、帝劇について深く知りたい人にもぴったりの企画展だ。

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