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アート集団チームラボと森ビルが共同で手がける「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」が、2024年2月9日(金)のオープンに先駆け、2つの展示空間を初公開した。港区に開業する「麻布台ヒルズ」の内覧会で、特別に開催された見学ツアーの模様をレポートする。
2018~22年にお台場で開催されていた「森ビル デジタルアート ミュージアム: チームラボボーダレス」は、境界のないアート群による「地図のないミュージアム」として、世界160以上の国と地域から来館者が訪れた大人気施設だった。
TIME誌の「世界で最も素晴らしい場所 2019年度版(World's Greatest Places 2019)」に選出されたほか、第25回ティア・アワードで「優秀功績賞」を受賞するなど、国内外で権威ある賞を多数受賞し、チームラボの名前が世界中に知られる契機にもつながった。
「認知上の存在」をテーマにした新たなアートプロジェクト
オープンする麻布台ヒルズのミュージアムでは、「境界のない1つの世界の中で、さまよい、探索し、発見する」という、お台場での展示コンセプトが大きく進化。新たな作品や日本未公開作品も多数加わり、シンガポールやマカオ、北京などで展開している海外展示や、豊洲で開催中の「チームラボプラネッツ」とも異なる、全く新しい作品群が登場するという。
ツアーの冒頭、チームラボ代表の猪子寿之が登場し、チームラボは近年、「認知上の存在」をテーマにした新たなアートプロジェクトに取り組んできたと説明。今回公開された新作「Bubble Universe:実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境によって生み出される光」を前に、「まさにオープンに向けて準備を続けている最中」と語った。
没入感たっぷりの2つの作品
「Bubble Universe:実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境によって生み出される光」は、360度鏡張りの空間に、色を変化させながら点滅する、無数の光の球体を配置。バレーボールくらいの大きさの球体の中で、それぞれの光はシャボン玉であったり、周囲の光に影響され呼応するように光ったり、とさまざまだ。
それらが相互に呼吸するようなスピードで、点滅を繰り返す。球体そのものも、鏡面のように周囲の景色を映しており、光に包まれた無限の空間が広がっているような光景が見られる。
本作では、認知と存在について、人間が世界をどのように見ているのかを模索すると同時に、現象が、環境との連続的な関係性の中に存在することを示唆しているという。時間を忘れて光の球体に見入ってしまいそうな、没入感たっぷりの空間が広がっていた。
「Megalith Crystal Formation(work in progress)」の空間では、「花と人」と「Black Waves」という全く異なる2つの表情で、空間を一変。暗闇に深紅の花々がデジタルアートで表現された「花と人」は、大型のモニター付近にいる人々の動きに影響を受けながら、コンピュータープログラムによってリアルタイムで花々が描かれ続ける。永遠に変化し続け、今この瞬間の花々の景色は二度と観ることのできないものだという。
一方、暗闇から青白い波模様が浮かび上がる「Black Waves」では、まるで生き物のように表現された波を、無数の水の粒子の連続体で表現。粒子間の相互作用を計算し、3次元上の水の動きをシミュレーションして立体的に線を描く仕組み。どちらとも、作品に合わせて制作された音楽と合わせて楽しめるようになっていた。
内覧会で公開された作品は、「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」で登場する作品のほんの一部。この大空間を活用したダイナミックな作品群が続いてどう展開されていくのか、2024年2月9日(金)のオープンが非常に待ち遠しい。
なおチケットは2024年1月16日(火)から公式ウェブサイトで発売される。そのほかの詳細情報も同サイトで更新されるので、随時確認してほしい。
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