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主演・鈴木亮平、共演をNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」などに出演した宮沢氷魚が務める独りよがりな愛の献身映画「エゴイスト」が、2023年2月10日(金)から全国公開される。監督は「トイレのピエタ」「ハナレイ・ベイ」などの松永大司だ。
原作は、高山真の同名小説。ファッション誌編集者の浩輔(鈴木亮平)と、シングルマザーの母(阿川佐和子)を支えながら暮らすパーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)の2人は惹かれ合い、恋人になる。満ち足りた時間を重ねていくも、ある日、浩輔の元にかかってくる一本の電話によって、状況は一転するというストーリーである。
1月20日(金)、全国公開に先がけ「ヒューマントラストシネマ渋谷」でティーチインイベント付き先行上映会が開催された。本編上映後には、監督の松永とタレント・映画コメンテーターのLiLiCoが登壇。制作の際に意識した作品や、架空の話にならないように心がけたことなどを語ってくれた。
LiLiCoは、登壇冒頭にポスターの美しさや画面に映し出される美麗さを強調し、松永も「とにかく美しくありたいとは思っていました」と呼応。映画を観た後のトーンや美しさはルカ・グァダニーノが監督した「君の名前で僕を呼んで」(2018年公開)を意識していたことを打ち明けた。このほか、鈴木と宮沢のたたずまいの良さはもちろん、池田直矢が撮影した自然光の美しさが特に際立っていると説明した。
また、LiLiCoは演技の自然さにも着目。「架空の話にならないよう、ドキュメンタリータッチであることにこだわった」と松永。台本も毎日変えたほか、わざと役者同士がぶつかるように、対峙する相手から何が出てくるか分からないような状況を作り出していたそう。
そうした環境の中で、阿川佐和子演じる母のある表情を撮影した時に「『エゴイスト』という作品が撮れたと思いました。そこには簡単じゃない感情があった。二度とあんなシーンは撮れないと思います」と松永は、ある意味、同作が濃縮されたともいえるシーンについて言及した。あるものを浩輔から受け取るという同作の中でも特に重要なシーンの一つだ。
3月12日(日)に香港で開催される「アジア・フィルム・アワード」で、主演男優賞・助演男優賞・衣装デザイン賞の3部門でノミネートされ、ますます注目を集める同作。ぜひ、劇場で観賞してほしい。
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