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多くの人が関心を寄せる性の話題。セックス、セクシュアリティー、ジェンダー、ポルノ、フェティシズムなど、欲望まみれのエロ話から真面目な社会学まで、「性」が持つ意味は幅広く奥深い。そして性は「せい」だけでなく、人が生まれ持った性質を指す「さが」の側面があることも忘れてはならない。
人間のナチュラルな部分、傾向や本能を表現する「さが」。私たちは「童貞は一人前の男ではない」とされながら「経験の多い女はビッチ」と言われたり、「同性愛は自然ではない」と特定の人たちが除外される理不尽な社会にいる。このような社会の前提に当てはまらなければ、人間として自然ではないとされてしまうのは、実におかしな社会……。
しかし、世の中には恋愛感情がない人、性自認が男女に当てはまらない人、オープンにセックスを楽しむ人、複数人と恋愛関係を築く人などさまざまな人がいる。つまり、私の「さが」とあなたの「さが」はまったく違うということ。枠としてではなく個人としてフォーカスすることで、その人のリアルが見えてくるのではないだろうか。
インタビュアーである筆者個人の話をすると、昼間はライターとしてタブーなトピックを発信するかたわら、夜はディープな街、新宿二丁目でドラァグクイーンと踊るダンサーとして活動している。そんな日々の中、さまざまな側面から「性」について考える機会が増えた。
同性を好きになることは私にとって当たり前のことなのに、女性と付き合っていることを恥ずかしくて言えなかった。今でもセクシュアリティーや性的欲求について話しづらい空気感はあると思う。
ライターとして人々の人生の一部を聞き、ダンサーとして新宿二丁目やクィアカルチャーと触れ合うことで、さまざまな個人の「さが」がみえてきた。その人にとっての当たり前やナチュラルな部分は異なり、それを相手に押し付けるのも違う。現代では、こうあるべきということで一人一人の性を制限しているように感じるが、そうではなく個人として認識していくことが大事なのではないだろうか。
今月から始まるTime Out Tokyoのインタビューシリーズ『SEX:私の場合』では、より個人に焦点を当て、「さが」としての性を取り上げていきたい。
記念すべき第1回のゲストは、性教育パフォーマーとして、またドラァグクイーンやMCとしても活躍するラビアナ・ジョロー。ぜひ読んでほしい。
テキスト:Honoka Yamasaki
ライター、ダンサー、purple millennium運営
Instagram@honoka_yamasaki
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