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グルメの間で一時期、食事の形容詞に「飲める⚪︎⚪︎」というワードが流行した。カレーや寿司やさまざまな食べ物がするすると「飲めて」しまうほどにおいしいというたとえだが、時代は一巡し、今は素材の一つ一つに思いを馳せ、かみしめて楽しむ時に突入したのかもしれない。
2023年8月25日、そんなことを思わせてくれる寿司店が恵比寿にオープンした。恵比寿駅から徒歩2分ほど、「恵比寿横丁」のすぐ近くに今年開店した「焼肉ここのみ」の2階に居を構える「鮨 十十十(すし とみ)」は、江戸前寿司を基本としながら現代寿司の楽しさを味わわせてくれる寿司店だ。
大将の大貫昌弘(おおぬき・まさひろ)は、15歳で寿司の世界に入り、「すし青柳」で修行後、ミシュラン獲得店や都内のホテルでさまざまに活躍してきた人物。黒と木目を基調とした内装の店内は、カウンター6席、カウンター個室1部屋(5席)、個室4部屋(4席×2部屋、2席×1部屋)のこぢんまりとした造りで、カジュアルでありながら大人の空間を匂わせる、恵比寿という立地に合ったデザインに仕上がっている。
気になるメニューは、1万6,500円と2万2,000円(全て税込み、要予約)の2つのコースを用意。ネタの仕入れは、長年の経験を持つ大将が自ら市場や漁港に出向き、20年来の付き合いである漁師のもとで仕入れているという。
口いっぱいに広がるネタとシャリのおいしさ
「丸っこいのが好きなんです」と語る大将が握る寿司は、ネタが厚くぽってりとした形状。注目すべきは長野県佐久市産のコシヒカリを使ったシャリで、しっかりと食べ応えがある粒立ちのいい食感とネタとのペアリングが口いっぱいに広がる。氷水で炊き上げる独自の手法は、米農家の奥さんに教わったのだそう。一粒一粒が際立ったシャリ、そしてネタごとに赤酢、米酢、合わせ酢と使い分けたこだわりの一貫が楽しめる。
赤酢がきいたマグロや、旬の白身魚、かつおだしが香るイクラの漬け、九州の卵焼きから着想を得たという独特の食感の玉など、五感をフルに使って味わおう。11月18日(土)まで、充実のリターンが付いたクラウドファンディングも募集中だ。
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