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臨海副都心の日本科学未来館で、世界のトップアスリートの常人離れした身体能力に迫る展示『超人たちの人体』展が開催中だ。オリンピアンとしても抜群の実績を誇る3人、ウサイン・ボルト(ジャマイカ、陸上)、タチアナ・マクファーデン(アメリカ、パラ陸上)、ケレブ・ドレセル(アメリカ、競泳)の3人の身体の秘密をさまざまな技術を用いて探っている。
ウサイン・ボルト
100メートルを9秒58で走るという前人未到の記録を打ち立てたジャマイカのウサイン・ボルトは、まさに「超人」というタイトルにふさわしい。しかしその彼が、背骨が曲がる側彎(そくわん)症という持病を抱えていること、それを補って余りある身体能力を発揮している理由についてはあまり知られていないのではないだろうか。
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会場では、等身大のボルトの立像に、MRI(磁気共鳴断層撮影)で撮影した体内映像データをプロジェクションマッピングで高精細に映し出したり、体験コーナーで自分の脚の筋力を測定して、ボルトのパワーと比べることができる。
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世界記録を出した100メートル走でのボルトの歩幅を再現したコーナーでは、一見しただけでは本当に人間の歩幅なのか信じられないはず。そのパフォーマンスの高さをまざまざと実感させられることだろう。
タチアナ・マクファーデン
パラリンピックの陸上選手であるマクファーデンの体の秘密は、『超適応』。彼女は腰から下がまひした状態で生まれたが、上半身の筋肉が強じんに発達、それを動かす脳の中では大きな変化が起きている。一般の人が脚の運動に使う脳の領域を、手の運動で使うというのだ。この『超適応』と鍛え抜かれた筋肉によって、車いすで最高で40キロメートルもの速度を出し、パラリンピック全距離種目でメダルを獲得する偉業を成し遂げた。
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会場では、マクファーデンのものと同型の競技用車いすをこいで疑似体験できる。100メートルを16.13秒で走るマクファーデンのスピードに追いつけるか、試してみてほしい。
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ケレブ・ドレセル
ドレセルは、競泳バタフライ100メートルの世界記録を10年ぶりに塗り替えたことで知られる。自身で「アート」と形容するその泳ぎは、特徴的な呼吸機能の働きによって実現されているという。
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会場の競技映像では、ラスト15メートル、ほかの選手が息継ぎをしているのに、ドレセルは一度もしないという神業を披露。幅14メートルの大型映像『Motion in the Water』では、その姿を克明に捉えており、思わず引き込まれてしまう。
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体験コーナーでは、垂直跳びで自分のジャンプ力を計測できる。ドレセルの武器である飛び込み時の瞬発力を自分の記録と比較してみるのも楽しいだろう。
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アスリートの体に秘められたポテンシャルを実感した後は、シアター映像『Moment of SuperHuman』も鑑賞しておきたい。彼らが競技中にいかにして世界記録を生み出す超人になるのか、そのわずか数秒の瞬間を、美しい映像と音によって体験できるのだ。
パラリンピックも残すところ、あとわずかとなった。競技を見るだけではなく、実際に自分の体と比較してそのすごさを実感してみては。
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