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2023年9月8日〜11月26日(日)、「サンシャイン水族館」で夜間特別営業の「TERROR Night Aquarium(テラー ナイト アクアリウム)」が開催。「Terror」=「恐怖」をテーマに、生き物たちが生き抜くための知られざる工夫と多様性に触れる展示だ。その見た目や捕食方法を、「怖いように見えて実は⚪︎⚪︎」「⚪︎⚪︎に見えて実は怖い」という2つの角度から展示を企画。「怖い」と感じる特性を紹介し、その生態について解説する。
9月7日に開かれた内覧会では、同館長の丸山克志、企画担当の川辺悠士郎、飼育スタッフから魚類担当の上市光之と海獣担当の福井正志が登壇した。
血の匂いを嗅ぎつけるアマゾン最凶の生き物たち
エントランスに入って最初に目に入るのは、アマゾンに住み、血の匂いを嗅ぎつける肉食魚のピラニア(ピラニア ナッテリー)だ。その最大の特徴はとがった歯。館長の丸山は、若い頃にピラニアにかまれた経験があるという。
ナマズの一種であるブルー カンディルは、体長10センチメートルほどの大きさながら、ピラニアよりも現地で恐れられている魚。大きな口と細かくて鋭い歯で生き物の体に穴を開け、体内へと潜って肉を食いちぎる性質を持っている。
かわいい見た目と裏腹? ペンギン、カワウソが持つ秘密
一見かわいらしい見た目の生き物たちにも、実は秘密がある。サンシャイン水族館で飼育されているケープペンギンは、アフリカ大陸に唯一住むペンギンの一種。オスとメスのつがいの絆が強く一生をペアで過ごし、仲むつまじい姿が見られることもあるという。
ペンギンは鳥なので歯を持たないが、口を開けると驚きの一面が。上顎と舌の上にはトゲのようなものがびっしりと生えている。これは餌を素早く飲み込むための機能で、一度くわえた餌を逃さぬように、釣り針の返しのような仕掛けを持っている。かわいいペンギンの見た目からは想像がつきにくいトゲトゲ……。 今回は、大きく口を開けたトゲ部分の精巧な模型を「マリンガーデン」で展示している。
そのほか、獲物を捕えると二重構造の顎が飛び出す「海のギャング」といわれるウツボや、九州地方に住む人には馴染み深い「泥まみれのエイリアン」ことワラスボなど、知る人ぞ知る魚たちが登場する。
見て、聞いて、触って知る生き物の魅力
本展では、生き物の捕食シーンなどの恐怖映像のほかに、貴重な標本や、「怖い」一面を紹介する解説パネル、特設水槽などを設置。「恐怖体験コーナー」として、ガイアナカイマントカゲの臨場感あふれる咀嚼(そしゃく)音と、彼らがかみ砕いて食べているタニシなどの巻き貝の硬度を示すため、実際の貝殻を置いたコーナーもある。
今回のターゲット層は20〜30代だそう。たしかに、北野武監督作「ソナチネ」のメインビジュアルをほうふつとさせる、真っ赤にライティングされた水槽や、今回のために作られたという恐怖感情をあおる音楽は、子どもたちには怖過ぎるかもしれない。
しかし、怖い話や生き物の雑学は、いつの時代も人々をわくわくさせてくれる。お化け屋敷へ行くつもりで、生き物たちの知られざる生態に触れてみては。
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