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スタジオジブリ幻の名作『海がきこえる』が3週間限定の全国リバイバル上映を開催

7月4日から、オリジナルの来場者特典や全国上映を祝したイベントも

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Kaoru Hoshino
海がきこえる
画像提供:株式会社つみき
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1993年に日本テレビの開局40周年記念番組として放送された、スタジオジブリ制作の長編アニメーション『海がきこえる』が、全国でリバイバル上映することが決定した。上映期間は、2025年7月4日(金)から3週間限定。既に映画ファンやジブリファンから多くの注目が集まっている。

作家・氷室冴子の小説を原作に、スタジオジブリの若手スタッフが中心となって制作された同作。高知と東京を舞台に、10代の終わりが近づく3人の若者たちの心の揺れや葛藤がみずみずしく描かれている。

制作当時のキーワードが「平熱感覚」だったように、激しい展開の変化はないものの、感情の変化を丁寧にすくい取った表現が印象的な同作。宮﨑駿や高畑勲が直接関わっていない初の作品としても知られ、ジブリの中でも異彩を放つ。

海がきこえる
画像提供:株式会社つみき

スタッフには、天空の城ラピュタ』『魔女の宅急便』の原画やキャラクターデザインを担当した近藤勝也が作画監督として協力。さらに、宮﨑作品の背景を多く手がけた田中直哉も美術監督として参加。後に『ゲド戦記』『コクリコ坂から』などで脚本を担当することになる丹羽圭子の姿もあり、豪華なメンバーの面々に驚かされる。

細部まで美しく描写されたノスタルジックな1990年代の風景と、若者の等身大の物語をリアルに描いた同作品は、時を経て多くの人の心に響き、再評価されている。2024年に渋谷の「Bunkamura ル シネマ 渋谷宮下」でリバイバル上映が期間限定で行われた際は、連日満席となるロングランヒットが話題となった。その後も全国公開を望む声が高まる中での今回の再上映に、期待せずにはいられない。

なお、同上映イベントは、映画レビューや鑑賞記録が投稿できるサービス・Filmarksが主催する「リバイバル上映プロジェクト」の第1弾として実現。全国139館での上映が予定されており、劇場一覧は公式Xで随時公開される。

また、オリジナルの来場者特典や全国上映を祝したイベントも開催予定だ。2025年の夏は、映画館へ足を運び、甘酸っぱく、懐かしい感情をもう一度味わってみては。

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