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動物や植物、菌類など自然界のあらゆる所に存在する「毒」を網羅できる特別展「毒」が2022年11月1日(火)〜2023年2月19日(日)に「国立科学博物館」で開催される。
総展示数はおよそ250点。動物学や植物学、人類学など各研究分野で9人のスペシャリストが、多角的な視点で徹底的に掘り下げて解説する。
同展のために3Dプリントで作成された、実物比約30倍のハブ、40倍のオオスズメバチ、100倍のイラガ、70倍のセイヨウイラクサの巨大模型が展示されているほか、「人間が作った毒」として、マイクロプラスチックや殺虫剤などを紹介する。
戦後に使用されていた「DDT散布器」はノミの駆除に絶大な効果があり、長い間多用されていた。その後、生態系への悪影響が指摘され、現在はマラリア感染者数の多い途上国においてのみ、限定的に使用が許可されているという。
化学展示を担当した理工学研究のスペシャリスト・林峻は「人が作り出した化学薬品は便利ですが、長期的に使用した結果、後から有害性が発見される場合もあると知るきっかけになってほしいです」と話す。
また、毒にまつわる生物進化についても触れる。同じ生息地域の中で、毒を持っている生物の外見が似る「ベイツ擬態」という現象や、コアラとユーカリの関係などを例に出して説明している。
実業家の上山英一郎がシロバナムシヨケギクの殺虫効果に着目して1890年に開発した「蚊取り線香」など、毒を活用した製品や発明もいくつか紹介している。
生活の中には至る所に毒があり、当初は毒性が分からず、後になってから分かったものもある。終章では、昔は食用のキノコだったが今では毒キノコだという事例などを引き合いにして、逃れられない毒との付き合い方について指南している。
このほか、東大発の知識集団「クイズノック(QuizKnock)」の井沢拓司がオフィシャルサポーターを務める「毒」クイズに挑戦できる。伊沢は「展示が重厚で、子どもから大人まで楽しめるギミックがある素晴らしい展示。僕なら回るのに3〜4時間くらいかかっちゃうな」と笑顔を見せた。
まだ見たことのない「毒」の世界を堪能してみては。
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