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欧州宇宙機関による木星とその氷衛星の探査、アメリカ航空宇宙局(NASA)とSpaceXによる火星探査などを見ていると、史上初めての宇宙へのレジャー旅行がもうすぐ実現するのではないかと思ってしまう。もしかしたら、地球における普通の旅行にこだわることが退屈な時代にもう突入しているのかもしれない。少なくともZephaltoという会社は、そう考えているようだ。
このフランスの宇宙企業は、2025年までにスペースバルーンで旅行者を成層圏に送り出すことを計画している。このバルーンは、地球の約24キロメートル上空を6時間飛行する。料金は1人当たり約13万2,000ドル(約1,780万円)で、飛行中はミシュラン星付き店の料理とワインも楽しめるという。この心躍るプランは、すでにZephaltoの公式ウェブサイトで事前販売されている。
Zephaltoの社名は、ギリシャ神話に登場する西風神のZephyrと、ラテン語で「上げる」「持ち上げる」を意味するAltoに由来。創業者であるヴァンサン・ファレット・ダスティは、計画についてブルームバーグに対し次のように語っている。
「宇宙旅行の夢と現実との間に橋を架けることができ、感激しています。元素や風を感じる旅をしたいという、私の思いを共有する人たちと、ついにそれを実現することができるのです。アプローチ、デザイン、技術的な解決策に何年もかけて取り組んできた結果、プロジェクトは今や手に取るように現実味を帯びたものになりました。いよいよ、富裕層に私たちの地球と宇宙を演出する非日常的な体験をご提供していきます」
スペースバルーンを使って観光客を天空へと誘う事業を行っている企業は、彼らだけではない。World View社は、ヘリウムで動く無圧成層圏気球を使って、3万人を地球の大気圏の果てに浮かせる計画を立てている。こちらは1人当たり5万ドル(約674万円)と、料金はかなり安い。同社では現在、世界7カ所からのフライトを予約したい人のために、デポジット金を受け付けている。
同様にアメリカの新興企業Space Perspective社は以前、2024年に宇宙船「Neptune」で成層圏クルーズを実施したいと考えていることを明らかにしている。クルーズに使われる熱気球のようなポッドには、床から天井までの窓が設置される予定だという。2020年当時、同社は旅行の費用はヴァージン・ギャラクティック社のフライトチケット料金の半分以下になりそうだと述べていたが、それでも1人当たり12万5,000ドル(約1,685万円)程度と、なかなかの大金が必要だ。
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