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2023年10月7日(土)、日本の映画や演劇の制作、興行、配給を手がける松竹が東銀座にある東劇ビルの隣接地に新スペース「シャトル(SHUTL)」がオープンする。同施設では、メタボリズム建築を代表する黒川紀章が設計した「中銀カプセルタワービル」のカプセル2基を取得・再活用し、アート展示や映像上映、イベント会場として活用される。
松竹グループの歴史的建築物を次代につなぎ、新たに活用してきた取り組みの一環として誕生した。コンセプトは、「伝統と現代の新たな接続方法を生み出す実験場(ラボ)として『未来のオーセンティック』を生み出す」。東銀座を新たな日本文化の発信エリアとして、現代の表現者が日本文化と改めて向き合い、自らの表現と伝統を結び付ける場所を目指すという。
同施設は下記の4つの空間で構成される。
オリジナルカプセル
2つのカプセルのうち、1つは「オリジナル」と呼ばれ、中銀カプセルタワービル完成当時の姿に修復されている。復元には黒川紀章設計事務所が協力しており、まるで取り壊される前の室内に入り込んだような気分が味わえる。
扉には号室が記載されており、ユニットバスルームや小さなベッド、壁に埋め込まれたブラウン管テレビなど、8.5平方メートルの空間に1972年当初の景色が広がる。特徴的な丸い窓にはブラインドがあり、実際に開閉することもできる。
ビジネスマンのセカンドハウスやオフィスとして構想された部屋で、 過去と未来のクリエーティビティが同居する新しい表現が展開される予定だ。
スケルトンカプセル
中銀カプセルタワービル解体後、23基のカプセルが保存されているが、スケルトン状態が見られるのはここだけ。解体時の姿をそのまま残し、生々しい壁面塗装とむき出しの鉄骨に囲まれている。照明は奥に2つのみ設置されており、窓から自然光が差し込む。
約50年の歴史があるわずか10平方メートルのミニマルな場で、アーティストたちが思い思いの展示を行う。
フリーダムスペース
2基のカプセルの間に位置する余白の空間は、開かれた交流の場として機能。作品展示やグッズ販売、ワークショップなど、多彩な企画が行われ、自由な表現を創造する。
アウタースペース
屋外スペースも有しており、コンクリートの壁を用いて、室内では展示できない巨大な作品や、パフォーマンスなどが展開される予定だ。
同施設は、基本的にイベントが開催時以外には開放されない予定だが、7・8日(日)の2日間は、誰でも自由に内覧できる一般開放日として営業する。貴重な完成時と解体時の姿を一度に直接見られるチャンスだ。
また、13日(金)から2024年春にかけては、オープニング展示シリーズ「伝統のメタボリズム」が開催される。同シリーズでは、シャトルのコンセプトである「未来のオーセンティック」を体現する企画を展開する。
第1期展示となる「伝統のメタボリズム〜言葉と文字〜」は、11月5日(日)まで開催。詩で活躍する最果タヒと、最果の展示デザインを手がける佐々木俊、多様なメディアを駆使したコンセプチュアルアーティストの松田将英、シャトルのロゴも担当した新進気鋭のデザイナー、三重野龍が出展する。
同施設を訪れ、今はなき中銀カプセルタワーの2基のカプセルを舞台に繰り広げられる展示やイベント、パフォーマンスを楽しもう。
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