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御茶ノ水の富士見坂矢口にて“シロダーラ”を体験してきた

アーユルヴェーダのシロダーラを山塚リキマルが体験

Rikimaru Yamatsuka
テキスト:
Rikimaru Yamatsuka
作家
富士見坂矢口シロダーラ
Photo: Keisuke Tanigawa
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去る7月5日、御茶ノ水にある美容院“富士見坂矢口”にてシロダーラなるものを体験してきた。

シロダーラとは、5000年の歴史を誇る古代インドの伝統医学・アーユルヴェーダの施術のひとつであり、額にある第六チャクラ(第三の目ともいう)に一定時間、人肌ぐらいの温度のオイルを垂らし続けるというものである。

『え、それだけ?』と思う人もあるだろうが、インドの叡智を見くびってはいけない。

このシロダーラは“脳のトリートメント”ともいわれていて、自律神経を整えてストレスを緩和させたり、血行を良くして頭痛や眼精疲労を改善したり、とにかく心身に好影響を与えるモノらしい。そしてややスピリチャルめいた話だが、直感/感覚/知恵を司る第六チャクラを開くことによって、直観力やインスピレーションを高めるともいわれているのだとか……。

富士見坂矢口シロダーラ
Photo: Keisuke Tanigawa

で、このたびこのシロダーラをなんと世界で初めて美容院で体験できるようにしたのが、ここ富士見坂矢口なのであーる。まぁ早い話が『マインドと一緒にヘアスタイルもキメちまえよ』っつーことなのであーーる。というワケでまんまとその魂胆に乗っかって、マインドとヘアスタイルをキメにやってきたのであーーーる。

頭蓋骨を整える

さて、さっそく施術が始まるのかと思いきや、まずその前段階として、頭蓋骨の歪みを直すマッサージを受けた。

『え!? 頭蓋骨って歪むの!?』と思う人もあるだろうが、頭蓋骨というのはいくつもの骨が繋ぎ合わさってデキているのだそうで、これがうまく噛み合っていなかったりすると、さまざまな身体的不調が起こるのだという。

頭蓋骨の歪みを直すなんてちょっと痛いんじゃないのかね、とビクビクしていたのだが、いやはやこれが実に心地良い。その入力はきわめて緩やかで、まぁたとえて言うならやや真剣にタマ×ンを揉むぐらいの感じである(最低な例え)。なんでも頭蓋骨というのはそれほど強い力をかけなくても変化するのだそーだ。

富士見坂矢口シロダーラ
Photo: Keisuke Tanigawa

時間にしてせいぜい十分程度だったと思うが、マッサージが終わると驚愕した。オノレの頭蓋骨が、手の指の関節ひとつぶんほど小さくなっているのである!!

しかも心無しか、頭中にたまった“熱”が抜けて、顔面がナチュラルな弛緩状態になったような気もする……。

富士見坂矢口シロダーラ
Photo: Keisuke Tanigawa

僕はめちゃくちゃプラシーバーで、思い込みやイメージが身体に多大な影響を与えるタイプゆえ、あくまで単なる個人的感想として読んでいただければと思うが、まぁ骨盤にせよ背骨にせよ、ズレた骨を定位に戻すことの効果は大きい。

意識はどんどん深層へ

さて、マッサージのあとは、いよいよシロダーラの施術である。

奥の部屋に通されて椅子に寝かされると、その内装や雰囲気も相まって、気分はまるでSF映画のごときだ。胸を高鳴らせながら目をつむる僕の額に、タラーッと、ひとすじのオイルが流れてきた。一定の速度で垂らされるオイルは額のただ一点のみに集中するのではなく、微妙に右往左往する。

富士見坂矢口シロダーラ
Photo: Keisuke Tanigawa

そうして僕はほどなく半覚醒状態へ入った。このフィーリングをたとえるならば、さしずめ、“眠りに落ちる一歩手前”という感じだ。すべてを手放して眠ってしまうこともできるし、ただちに瞼を開けて起きることもできる。額に落ちるオイルの生暖かな感触も、毛足の長いブランケットの柔らかさも感じてはいるが、それと同時にすごくディープなところに意識が沈んでゆく。

そしてブレーカーが次々落とされて、だんだんあたりが暗くなっていくみたいに、意識がどんどん深層へと向かっていく……。

富士見坂矢口シロダーラ
Photo: Keisuke Tanigawa

15分後。僕はまったく別な人間として生まれ変わっていた。ということは勿論ないが、なんだかとても不思議な気分だった。

たった15分しか経っていないというのが信じられない。たとえるなら、二時間ガッツリ昼寝したあとのような、ぼんやりしているようでいて妙な気力にみなぎっているみたいな、そんな感覚にさせられた。きつく締められた頭のネジが、ほどよく緩められたような……。

いま、ここに在るという感覚

トートツな私事で恐縮であるが、僕は取材当日、なんだかやたらと忙しくて&クソクソに暑くてバテていて&想像を絶する程の金欠で、メンタル的にはダウナーとはいわぬまでも何となく気忙しくて、何かに集中して取り組もうとしても意識がすぐにあっちこっちに散らかってしまうような状態だったのだけれども、そうしたギザついたマインドがなめらかに成形されたような感じだ。テンパったり勘繰ったりよそ見したりせず、どっしりと構えていられる。

わかりやすくひとことでいうなら『俺は、いま、ここに在る』という感じだ。僕はたしなむ程度に瞑想を行っているのだが、この感覚はまさに瞑想が目的とするものである。僕は瞑想を“雑念にとらわれず、いまここでなすべきことに集中するための魂のチューニング行為”だと考えているが、シロダーラはまさしくソレであった。やったことがある人なら解ると思うが、瞑想とはときにビックリするぐらい上手くいったり、逆に何かイマイチ上手くいかなかったりもする。だが、シロダーラは、瞑想がめちゃくちゃ上手くいったときと全く同じ質感があった。この予想以上の心的効果に、僕はただただ驚くばかりだった。

富士見坂矢口シロダーラ
Photo: Keisuke Tanigawa

サウナが『整う』とかいうように、昨今はドカ食い気絶(血糖値の急上昇による酩酊)が『至る』とかいわれてるらしいが、それになぞらえて表現するならば、このシロダーラは『凪ぐ』という感じだ。あらゆる悩み事や考え事は、時としてヒトを悪い興奮状態へとむかわせるが、そうした波立つマインドを、シロダーラはいい感じになだめてくれる(あくまで個人的感想だが)。

ソフト・グラマラス・ネオ・リーゼント(何なんだそれは)

まぁそんなグッドバイブスの状態から、ヘアカラー&カットになだれ込んだ。

富士見坂矢口シロダーラ
Photo: Keisuke Tanigawa

完全なるおまかせで挑んだスタイリングは、シン・ホワイト・デューク期のデヴィッド・ボウイもしくはブライアン・セッツァー、はたまた『マイ・プライヴェート・アイダホ』の頃のリヴァー・フェニックスのような、ちょっとだけイナたくて、でもしっかりとキザな、ソフト・グラマラス・ネオ・リーゼントへと仕上がった。かっちょE。いかすぜOK。この日シロダーラの施術およびヘアカット&カラーを担当してくれたのは、ボブ・ディランのTシャツを着たニシヤマという青年だ。忖度なく素直な感想を述べるが、本テキストを読んでるベイビーたちは、この名前を覚えておいたほうがいいぜ。

富士見坂矢口シロダーラ
Photo: Keisuke Tanigawa

かくして僕は、シャッキリスッキリした頭でもって、このテキストを落雷のごときスピードで書き上げた。マインドもヘアスタイルもキマったし、すんげえヴィンテージ・スピーカーでグッド・ミュージックも聴けたうえに、レアなアート&カルチャー本も読めた。この夏、身も心もヘアスタイルもイイ感じになりたい読者諸君は、ぜひチェックしてくれたまえ。

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