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1980年に新宿で誕生した「新宿アルタ」が、2025年2月28日に45年の歴史に幕を下ろした。長きにわたり、新宿のシンボルとして親しまれた同店の、最後の瞬間をレポートする。
商業店舗のみならず、開店当初から7階にテレビ放送に対応したスタジオ「スタジオアルタ」を有し、新宿駅東口に面した壁面には日本初の大型街頭ビジョン「アルタビジョン」を設置。「オルタナティブ(ALTernAtive)」という名前の由来のとおり、数々の流行とエンターテインメントをこの場所から発信してきた。「新宿アルタ前」で待ち合わせするのは東京を目指す若者にとって憧れだった。

館内には、アルタから生放送されていた人気テレビ番組「森田一義アワー 笑っていいとも!」の司会者だったタモリら、ゆかりの著名人のメッセージが並ぶ。またアルタビジョンに寄せ書きが放映される、「デジタルヨセガキ」が開催され、閉店当日でも多くの客が思い思いのメッセージを書きこんでいた。


閉店間際になると、閉店を惜しむ大勢の人がアルタ前の広場に詰めかけ、アルタビジョンを見上げていた。

その中でも一際アルタ愛を表現していた客に話を聞くと、「笑っていいとも!が大好きでよく訪れていました。当時ここだけ出待ちが出来たので、芸能人に会えるのが嬉しかったんです。」と、とびきりの笑顔で話してくれた。
閉店時間の20時30分になると、閉店セレモニーの開始を知らせるようにアルタビジョンに映像が流れ始めた。映像にはアルタから羽ばたいていったタレントが登場し、同店での思い出を語った。彼らにとって、ここが芸能キャリアの始まりの場所だったという。次はアルタを超えるような場所を作ってほしい、という声もあった。
新宿アルタの店長である末広泰之は「アルタがみなさんのいい友になれるよう、たくさんの感謝をお届けしてきた日々は人生の宝物。アルタが閉店しても、新宿東口には魅力的なお店がたくさんあり、これからもこの場所を訪れてほしい。」と最後のあいさつを告げた。店長のお別れの挨拶に聞き入りながらも、時折笑いが起き「ありがとー!」と歓声が飛ぶなど終始温かい雰囲気に包まれていた。

挨拶の最後には、店長の「サンシャインアルタと新宿東口にまた来てくれるかな?」という呼びかけに、「いいとも!」と一同で返答した。

20時50分、シャッターが閉まり、多くの関係者や客に見守られながら新宿アルタは45年の歴史に幕を降ろした。営業終了後のビルの用途は未定だという。アルタが繋いでくれた「いい友」や思い出に少しだけ後ろ髪を引かれながら、続報を楽しみにしたい。
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