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新宿駅構内で迷うのは、ひどく動揺する経験でもある。36のプラットフォームに12の路線が乗り入れ、連日およそ3億5900万人の乗降客がいるというのは、名実ともに世界で最もせわしない駅だからだ。通勤者が多過ぎて道が分からなくなるといったことはまず起こらないだろうが、それでも200以上の出入り口があるので、よく通る人でさえその構造に習熟するのはなかなか難しい。
遠い遠い未来、こんなカオスな状況は終わるかもしれない。2020年7月9日には東西口を連結する通路が完成、現在はもっと利便性に富んだ駅構内に変えるための改装工事『新宿駅直近地区土地区画整理事業』が進行中だからだ。メインとなるのは、改札を通らずに西口から東口まで通り抜けられる東西デッキ。2021年7月に始まった工事の総工費は、デッキも含めて728億円にも上る。
10.1ヘクタールもの面積で実施されるこの計画は、現在私たちが知る駅とは全く異なる姿に新宿駅を変貌させるもの。とはいうものの、その成果を目の当たりにするにはまだまだかかる。東西デッキや駅前広場は、2035年度に部分的には完成する見込みだが、工事全体の完成は2047年3月31日(日)が見込まれているのだから。
なお、2022年10月からは小田急電鉄と東急不動産が、今回の工事エリアで展開予定の『新宿駅西口地区開発計画』でタッグを組む。計画では、9月に営業終了する小田急百貨店新宿本店を建て替え、2029年には高さ260メートル、地上48階建ての高層ビルの完成が予定されている。
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