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分断を越え世界と再び、「シブヤピクセルアート・リコネクト」が開催

50作品が渋谷ヒカリエで展示、9月25日には最優秀賞を発表

編集:
Genya Aoki
寄稿::
Tomoki Takamura
シブヤピクセルアート リコネクト
画像提供:シブヤピクセルアート実⾏委員会
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ピクセルアートの展示とコンテストで今や世界最大級となったイベント、「シブヤピクセルアート」が今年も開催される。2022年のシブヤピクセルアートはタイトルを「リコネクト(Reconnect)」と銘打ち「ピクセルアートで、世界と再びつながる」というテーマを掲げ、6月1日から参加作品の募集を開始した。

今年の作品応募テーマは「シブヤ」「生まれたて」「ゲームオーバー」「歌舞伎」「バナナ」の5つ。いずれかのテーマ、またはその組み合わせを「ピクセルアート」で表現したピクセル作品を7月31日まで募り、総応募数603点の中から1次審査を通過した50作品が受賞ノミネートされた。

いずれも9月21日(水)〜28日(水)に渋谷ヒカリエの「ハチ キューブ&コート(8/CUBE&COURT)」で展示され、25日(日)の最終審査で最優秀賞、審査員賞、オーディエンス賞、ほか3つの特別賞・部門賞の受賞者が発表、表彰される。表彰式の様子は、YouTubeでの⽣配信も行われるので、現地に来られない人でも楽しめるだろう。

シブヤピクセルアートは、この2年間でコンテストの国際化を積極的に推進し、内外多くのファン、アーティストが参加する世界規模のイベントへと成長した。「世界と再びつながる」という今年のテーマは、理不尽なパンデミックや紛争に直面し、分断を強いられている現在の世界に向け「人を分断するものではなく、国境や言葉を超えて、人とつながる」という、アーティスト本来の役割を際立たせているようにも見える。

審査員は言うまでもなく、全員ピクセルアートのエキスパート。人数も昨年の6人から12人に増員し、その半数をドイツ・ロシア・カナダ・中国・韓国といった海外から招致。独自性、社会性、構成力といった視点から作品を精査するが、オーディエンス賞ではTwitterで投稿された作品を対象に、リツイートの数を評価として受賞者を選ぶなど多様な視点で評価した。観客をも審査過程に巻き込み、コンテストを盛り上げようという趣旨だ。 

シブヤピクセルアート・リコネクト
画像提供:シブヤピクセルアート実⾏委員会Shibuya Pixel Art Museum 0 Pixelart by 奥田栄希

最優秀賞受賞者には、30万円の賞金や液晶ペンタブレットが贈られるほか、9月以降公開予定の「シブヤ・ピクセルアートミュージアムShibuya Pixel Art Museum)」での展示と紹介、11月にはスクランブル交差点にある「キューフロント(QFRONT)」の巨大サイネージで放映されるといった特典が与えられる。

クリエーターにとっては大いなるチャンスとなるこのシブヤピクセルアートだが、特筆すべき点はやはり国際性と賞・審査基準の多様性にある。1人の1等賞を決めるのではなく、多角的な視点で多くの賞を設定し、多くのファン、アーティスト、エキスパートがお互いを認め合い、尊重し合うことで世界を覆う分断を越えていこうという意図が感じられる。応募資格に国籍、性別、個人や団体など一切なく、在住場所も問わず受賞時に現地へ来る必要もない。
 
感染対策など多くの課題を抱えながらも、6回目の開催を実現させるシブヤピクセルアート。ぜひ展示や表彰式を通してつながりを実感してみてほしい。

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