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代々木上原駅から徒歩8分、住宅街の一角にある「ソー（sew）」が2025年2月1日にオープンした。目印は、上原小学校のバス停だ。近隣住民は診療所の跡地であるこの場所に何ができるのか、とオープン前から興味津々だったという。
同店は、「ロビー（LOBBY）」「ネフュー（nephew）」「ホーン（Hone）」といった都内人気飲食業態を手がけてきたクリエーティブスタジオの「アンドサプライ（& supply）」が、ホームグッズブランド「MYTONE（マイトン）」の初の直営店を併設したカフェレストラン。小学校を目の前にした店内には、朝早くから多くの客が集い、早くも街の憩いの場となっている。
「診療所という物件の特性上、空間が細かく仕切られていて店舗としての設計には非常に高い難易度があった」と語るのは、代表の井澤卓。試行錯誤した結果、それぞれのスペースが躯体（くたい）の壁で独立している特徴をうまく利用し、自社のホームグッズブランドと、カフェ業態が一体となった複合体施設としてオープンさせた。
店内は、手前がダイニング、奥側がショップで構成。壁やインテリアのカラーで緩やかにゾーニングしつつ、室内窓を介して空間に一体感を持たせている。物件上の背景を感じさせない洗練された設計は、まさにクリエーティブスタジオの腕の見せどころだ。
窓から入る日差しと、コロンとしたかわいらしいピンク色のレイチェアが特徴的なカウンター席は、店内の床から一段高いところにあり、朝食にはぴったりな特等席だ。テーブルの延長線上、ショーケースの上に所狭しと積まれた焼き菓子が食欲をかき立てる。
おすすめは、旬のフルーツをたっぷりとあしらった季節のタルト。取材時は、プチッと弾ける食感と酸味のある甘さが特徴的なフレッシュなものと、優しい甘さがたまらないコンポートが提供されていた。2種類のキンカンが乗った、春の訪れを感じさせる一品だ。
合わせたいのは、日本で唯一の取り扱いであるというオーストラリアンロースタリー、「アーティフィサーコーヒー（Artificer Coffee）」のアメリカンコーヒー（550円、税込み）。雑味のないクリアな酸味に、ふんわりと甘い香りが広がり、紅茶のようなすっきりとした余韻が後を引く。
オーストラリアのカフェカルチャーにインスパイアされたという同店は、日本でいうファミレスのような一面も。豊富な種類の焼き菓子やベーカリーのほか、11時〜15時のランチタイムはフードメニューも充実。オープンサンド、パスタ、ライスメニューといった多彩な料理を提供しており、シンプルで素材の味を存分に生かしたヘルシーで満足感のある食事が魅力だ。
気になるショップスペースは、白を基調とした空間に、MYTONEの裏表で異なる生地を使ったバスマットや、スリッパ、ブランケットなど、豊富な品揃えの商品が一堂に並ぶ。どれも気分が上がるアイテムばかりだが、ディレクターである藤井悠海のおすすめはタオルブランケットだ。
シングルサイズベッドほどの大きめサイズで、ブランケットとしてはもちろん、ソファカバーやアウトドアにも使いやすく、これからの時期にぴったりなアイテム。オンラインショップに引けをとらないカラーバリエーションの中から、自分らしい一点を見つけてみてほしい。
今後はMYTONEの商品でコラボレーションするデザイナーのオリジナル作品の展示や、焼き菓子のオンライン販売など、新たな挑戦を計画中だと話す、井澤と藤井。同社の強みを生かした取り組みに、今後も目が離せない。
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