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2021年秋、ニューヨークのブロードウェイには観客が戻ってくるが、観劇環境は「以前」とは明らかに異なるものになる。
ブロードウェイにある41の劇場を代表する業界団体であるブロードウェイ・リーグは、興行の再開に際して、厳格なルールを適用。観客には入場前にワクチン接種証明掲示を求め、劇場にいる間のマスク着用を必須とする方針だ。
ブロードウェイ・リーグは、2021年7月30日にこの方針を発表。同団体の会長であるシャーロット・セントマーティンは、統一されたポリシーを持つことで、劇場の観客やスタッフ、パフォーマーが安全に過ごすことができる、と次のように述べている。
「ワクチン接種は健康を維持し、感染を減らすための最も効果的な方法であることが証明されています。全ての劇場オーナーが、これらの安全対策の実施を決定したのは喜ばしいことです。ブロードウェイ全体でポリシーが統一されることで、観客にとってはルールがシンプルになり、我々にとっても、ブロードウェイがお客さまの安全にどれだけ真剣に取り組んでいるか、さらなる自信を持って言えるようになるでしょう」
このルール適用により、観客(スタッフや出演者も同様)は、アメリカ食品医薬品局(FDA)または世界保健機関(WHO)が認可したワクチン接種を完了している必要があり、劇場に入る前にワクチンの接種証明書を提示しなければならなくなる。
ブロードウェイ・リーグではワクチン接種の「完了」を、2回接種の場合は2回目接種後14日以上、1回接種の場合は接種後14日以上が経過している場合と設定。そのためブロードウェイ公演のチケットを取る場合は、ワクチン接種が完了した時点以降の公演日を選ぶ必要がある。
劇場内では指定された場所で飲食する場合以外、誰もがマスクを着用する必要がある。ちなみにブロードウェイ名物の公演ロゴ入りカップで提供されるカクテルは販売が継続され、飲むための場所も提供されるという。
劇場のオーナーやオペレーターは、2021年10月31日までの公演のチケットを持っている人に対して、このルールについての注意喚起を行っていく。2021年11月以降の公演については、9月に科学的根拠に基づき、緩和を含む新しいルールの検討を行うという。
また、12歳以下の子どもや、疾患や宗教上などの理由でワクチン接種ができない人たちは、開演時間までの72時間以内に実施したPCR検査が陰性、もしくは開演時間までの6時間以内に実施した抗原検査が陰性であれば、ワクチン接種証明の提示は免除される。
このブロードウェイにおけるワクチン接種証明提示の義務化は、ニューヨーク市でワクチンを接種していない人々の間でデルタ株の感染者が増加していること、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が、屋内でのマスク着用を推奨ではなく、ワクチン接種完了者も含め「するべきだ」と発表したことを受けたもの。
劇場運営会社であるThe Nederlander Organizationの社長である、ニック・スキャンダリオスは、感染対策を取った上でのブロードウェイ再開について次のように期待を寄せている。
「ブロードウェイにとって安全は最優先です。ニューヨークのワクチン接種率の高さを認識した上で、これらの手順を実施していきます。ブロードウェイの大きな再開の機会に向け、私たちが約束するべきは、劇場コミュニティー全体における最高レベルで公衆衛生を維持すること。私たちは万全の体制で、多くのお客さまやファンの皆さまをブロードウェイのマジカルな世界へとお迎えしたいと思っています」
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