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日本のレストランの店先に陳列されている「食品サンプル」はプラスチックや樹脂、蝋(ろう)などを原料に作られている。この本物そっくりな「フェイクフード」をさらに進化させ、アイコニックなアート作品を制作する現代美術作家が、渡辺おさむだ。
現在、静岡の平野美術館では、渡辺による独自の技法「フェイククリームアート」を用いて世界の名画や彫刻をオマージュしたアート展示が行われている。作品はどれもカラフルなアイシングや、身近なお菓子でデコレーションされているのが特徴。一度は見たことのある有名な絵画が、キュートかつ繊細な渡辺の世界観と融合している。
見どころは、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』をオマージュした作品。クロワッサンとフルーツクレープでできたヘッドピースが特徴のこの作品は、よく見ると絵の色に合わせてフェイククリームが細かく落とし込まれている。
エドヴァルド・ムンクの『叫び』をクリームだけで表現した作品は、インパクト大だ。
クロード・モネのファンには、代表作『睡蓮』のフェイククリームバージョンも。
そのほか、葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』をパステルカラーでポップに表現したものや、浜松銘菓の『うなぎパイ』をモチーフにした作品、キャンディーやマカロンで細かくデコレーションされた仏像など、カラフルなスイーツデコアートの数々が並ぶ。
『渡辺おさむ展-お菓子の美術にようこそ-』は、2021年8月15日(日)までの開催。平野美術館へのアクセスは、東京から約2時間の浜松駅が最寄駅となる。
詳細は平野美術館の公式ウェブサイトを確認してほしい。
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