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長く不安定な道のりだったが、思い出深いものであることは確かだ。しかし、よく言われるように、良いものには終わりがある……。
2022年9月2日、ニューヨーク州都市交通局(MTA)はTwitterで、1999年から地下鉄の駅に設置されているメトロカードの自動販売機が、「そう遠くない未来」に段階的に廃止される予定であるアナウンスした。
同自動販売機は、すでに一部の駅で導入されているOMNY(非接触型決済システム)の自動販売機と完全に入れ替わることになる。建築や都市デザイン情報を扱うウェブサイトであるCurbedによると、「2023年末には切り替えが完了する」見込みだという。
たしかに老朽化はしているが、まだ必要不可欠な地下鉄に関して、ニューヨーク市が改善を施すのは、今回が初めてではない(地下鉄のトークンが懐かしい)。しかし、今回の「アップデート」はほろ苦い感じがする。あのカラフルな販売機は、ニューヨークらしさ満点だった。
普段は、この街の交通システムに関するものにはあまり愛着を示さないニューヨーカーだが、今回ばかりは、ソーシャルメディアを通じてメトロカードの自動販売機がもうすぐなくなることを悲しんでいる。その事実は、この地域の文化的な原則において、この「オブジェ」がいかに重要な位置を占めてきたかを示しているといえる。
分かってはいたが、ついに前に進む時が来たということだろう。近い将来、見慣れた販売機を見ることができなくなり、それを悲しむのは間違いない。しかし、一つの告白をしなければならない。我々は絶対的に新しいOMNYの改札機も好きなのだ。OMNYは使いやすく(タップするだけ)、スマートフォンで利用できるため財布にカードを入れておく必要もない。さらに、うまくいけば 通勤時間を数分減らしてくれる。
とはいえ、メトロカードの自動販売機よ、長い間ありがとう。
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『ニューヨーク地下鉄、6割の駅で非接触型決済端末を導入完了』
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