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2022年3月4日から、池袋のパルコ本館7階のパルコファクトリー(PARCO FACTORY)でサウナの展覧会『サ展』が開催中だ。幅広い世代に愛される一大カルチャーのサウナを、さまざまな角度から体験できる。
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サウナカルチャーの魅力を写真やパネルで体感
今回の展示はマンガ家でサウナ大使であるタナカカツキ監修のもと、「サウナカルチャー」の世界観を伝えるために開催された。会場に入るとまず目に入るのは、サウナ協会がまとめた戦後の日本サウナ史パネルと、色鮮やかな写真。そしてタナカのマンガ作品『サ道』の原画だ。
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展示されている『サ真』は、写真家の池田晶紀によって撮影された。本場フィンランドにおけるサウナの風景や、清涼感ある水風呂の水面が。会期中には会場で受注生産も受け付けている。
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タナカが「コピー用紙に鉛筆で描いた」という『サ道』の原画は、多くのサウナーにとって垂ぜんもの。どこのサウナについて描かれたコマなのか、ぜひイメージしながら鑑賞してほしい。なお、『サ展』開催に向けて制作されたタナカによる大判の描き下ろし作品にも注目だ。
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展示フロアの中心には日本国内のスタンダードなサウナと、墨田区の下町銭湯、黄金湯の水風呂を再現した水風呂のミニチュア模型を設置。特に水風呂の模型は、普段は見る機会のない地下水のくみ上げタンクなども再現されている。
「ととのった〜」と、没入体験できる仕掛けを用意
サウナの醍醐味(だいごみ)といえばサウナと水風呂、休憩を繰り返すうちに心身ともにリラックスした状態へと導かれる「ととのい」体験だ。ミニチュア模型でサウナを俯瞰(ふかん)して観察した後は、サウナ内部を再現したスペースへ。
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ヒノキで作られた台座に腰掛けると、目の前にはサウナの熱気を起こす「熱波師」のタオルパフォーマンスの映像が見られる。映像に登場するのは、国内各地で活躍するプロの熱波師たち。彼女・彼らのアクロバティックな動きを見ていると、実際に熱気が舞い込んでくるような錯覚に陥るだろう。
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サウナブースを抜けた先にあるのは、「ととのい」を疑似体験できるパノラマ映像ブースだ。さまざまなサウナに設置されている休憩用の通称「ととのい椅子」も設置されており、座りながら映像を眺めることで、交互浴を終えた時のような開放感が味わえる。
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テレビドラマ版『サ道』で登場人物たちが「ととのった〜」とうっとりするシーンがARで再現できるスペースも登場。専用アプリをダウンロードすると、無料で写真データを入手できる。
物販コーナーも展示エリアに
この展示の面白い点は、サウナにまつわるグッズを販売するスペースですら、一つの「展示」として機能しているところだ。
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サウナ専門のWebメディア『サウナタイム』の代表、サウナーけたが監修した会場内ショップ「サ店」では、国内外のあらゆるサウナグッズをそろえている。サウナハットや白樺の枝葉をまとめたマッサージアイテム「ヴィヒタ」のように、サウナーにとっておなじみのプロダクトだけではなく、会場限定オリジナルのクリアファイルや、ヴィヒタ型クッションなども販売する。
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池袋パルコ本館6階にあるカフェ、アドレスでは『サ展』の開催を記念し、デトックスハーブティーや都内某有名サウナの「サ飯」をほうふつとさせる『サウセンWハムエッグワッフルサラダプレート』を販売する。
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多角的な視点から掘り下げられるサウナの魅力
会期中はタナカをはじめ、サウナに精通するゲストを招き、サウナにまつわるトークショーも開催。また、タナカの新作エッセイ『サ道 ととのいの果てに』を会場で購入すると、会場限定のホログラムステッカーも入手できる。
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今日も多くのサウナーたちが全国各地のサウナ聖地を訪れる。生活に根ざした一つの営みが、建築からアート、グルメ、ファッションとさまざまな切り口でアプローチされる。掘れば掘るほど奥深いからこそ、人々はサウナに魅了されるのかもしれない。
なお、今回の会場である池袋にも都内有数の「サウナの聖地」がある。展覧会を訪れたあと、ぜひお気に入りのサウナで汗を流してみては。
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