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今なお多くの人々の心をつかんで離さない、武内直子原作の「美少女戦士セーラームーン」。同作品の30周年を記念した展覧会が、2022年7月1日から「六本木ミュージアム」で開幕した。
漫画雑誌「なかよし」で1991年に連載をスタートした同作。セーラームーンこと主人公の月野うさぎをはじめとするかわいらしいキャラクターと、大人向けなストーリーが人気を呼んだ。1992年に制作されたテレビアニメは、当時大きな社会現象を巻き起こした。現在でも国内外でさまざまなメディア展開が行われている。
「美少女戦士セーラームーン ミュージアム」と題する同展は、その名の通りセーラームーンの世界を凝縮した博物館だ。原画に加え、コレクショングッズや舞台衣装など貴重な展示品が並ぶ。訪れた人が作品を身近に感じられるよう、作品の舞台である麻布十番に近い土地で開催した。
ここでは、作品への愛を随所に感じる同展の見どころを5つ紹介しよう。
1. セーラームーンにあいさつする。
会場に到着したらまず迎えてくれるのが、描き下ろしイラストをあしらった大きなビジュアル展示。作者の漫画やファンに対する熱意を注ぎ込んだ力作に、早速出合えるのがうれしい。
「時空の扉」をイメージしたカーテンをくぐると、巨大スクリーンが出現。大きな画面には、セーラー戦士の映像が次々と映されていく。迫力満点のムービーに合わせたレーザーの特殊効果が、作品世界への没入を誘う。アニメの主題歌「ムーンライト伝説」が流れており、映画が始まる瞬間に似た高揚感が得られるだろう。
2. アニメと漫画の魅力を探求する。
同展では、漫画とアニメにそれぞれ光を当てたコーナーを用意。各展示エリアでは、両者の全貌をたどってほしい。
「セーラーガーディアンズ・ヒストリー」と呼ばれるコーナーでは、原作全5部の名シーンやセリフを紹介していく。ホログラム手法を施した原稿が、虹色に光りながら壁一面を覆っている。キャラクターの登場する場面や覚醒シーンなど、自分が好きだった場面を探そう。
足を進めると、アニメシリーズにフォーカスしたエリアが登場。設定資料や絵コンテの数々が、200話を超えるその長さを物語る。初期作から最新作まで絵柄の変化を追えるのは、シリーズが一堂に会する空間ならでは。日本を代表するアニメーターの庵野秀明が描いた絵コンテも見逃さないように。
3. カラフルな水彩画に浸る。
同展の目玉は、やはり作品史上最多数の原画が並ぶ展示エリア「セーラー・クリスタル・ギャラリー」だろう。宇宙空間のような演出を施したコーナーでは、初公開のカラー原画や作者の手元を離れていた貴重な作品が堪能できる。美しい水彩画とともに、漫画家の優れた色彩感覚と時代を感じさせない繊細なタッチを目に焼き付けてほしい。
第1期の9月4日(日)までは原作の1〜2部が公開中だ。順次展示替えを行い、最終章の5部まで公開される。全ての会期に訪れ、ここでしか見られない原画を全てコンプリートしよう。
4. セーラー戦士になりきる。
セーラームーンの特徴といえば、記憶に残るグッズの存在だ。ここには、フィギュアやぬいぐるみ、カード商品、ウェディングドレスなど600点を超えるコレクションが集結。ピンク色の壁にさまざまなアイテムが並ぶ様子は圧巻である。
中でも特に注目は、コンパクトやスティックといった変身グッズ。これまで発売され、ファンの胸を踊らせてきた品々が揃う。小さい頃に遊んだアイテムが見つかるかもしれない。
ミュージカルで実際に使用されたステージ衣装も見応え抜群。1993〜2005年のバンダイ版と2013年以降のネルケプランニング版、それぞれの衣装が展示される。再現度の高いコスチュームを見れば、自分がセーラームーンになったかのような気分が味わえるだろう。
5. キュートかつモードなショップで爆買いする。
展示エリアを抜けた後は、特設ショップへ。五十嵐LINDA渉が手がけた空間では、作品世界内でウインドーショッピングを楽しむかのようにアイテムを物色したい。
第1期は約130種類の商品を販売。同展のキービジュアルを使用したクリアファイルやポストカード、1990年代のアニメロゴをあしらったTシャツといったアパレル商品など、種類豊富なアイテムを取り揃える。
最も目を引くのは、壁に飾って楽しむ巨大なネオンサインアート。「ムーンスティック」と「クリスタルスターコンパクト」の2種類のデザインを用意する。スペースと懐に余裕があるならば、インパクトが強いこれらの購入を検討するのもいいかもしれない(受注販売限定)。
締めは、セーラームーンをモチーフにしたミュージアムカフェで決まり。作中に登場するアイテムやセリフにちなんだメニューが提供される。
「コズミック・ハート・コンパクト」にそっくりなムースのデザートプレート、「月にかわっておしおきオムライス」などユニークな一皿が面白い。セーラー戦士それぞれのカラーを取り入れた「セーラー5戦士のレインボーパフェ」や「セーラー戦士のペアソーダフロート」は、味覚と視覚の両方で楽しめる。
同作の「博物館」とも呼べる一大イベントへ足を運んでみては。
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