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組織や人事のコンサルティング業務を手がけるマーサーが 『2021年世界生計費調査(Cost of Living Survey)–都市ランキング』を発表。世界で最も生活費が高い場所に、トルクメニスタンのアシガバートが選ばれた。
このランキングは、マーサーが実施している『世界生計費調査』のデータをもとに算出されたもの。同調査は、主に多国籍企業や政府機関が海外駐在員の報酬や手当を設定する際などに利用。世界の209都市における、住宅、交通、食料など、200品目以上のコストが調査対象となっている。
大理石で覆われた建物が立ち並ぶアシュガバートに次いでランクインしたのは、昨年の勝者である香港。3位以降はベイルート、東京、チューリッヒと続き、トップ10までには、国際都市である上海、シンガポール、ジュネーブ、北京、そしてスイスの首都であるベルンが入った。
今年のトップ10には、実はアメリカの都市が一つも見られない。レポートによると、物価上昇が見られたにもかかわらず、アメリカの各都市のランクが下がったのは、為替変動の影響を受けているのが理由だという。アメリカで最も物価の高い都市に選ばれたのは、昨年より順位を8つ下げたニューヨーク(14位)。以降は、ロサンゼルス(20位)、サンフランシスコ(25位)、ホノルル(43位)、シカゴ(45位)となった。
一方、イギリスの都市を探してみると、最も上位に位置したのがロンドン(18位)で、100位以降にバーミンガム(121位)、グラスゴー(131位)が入った。どの都市も昨年と比べ、順位を上げてランクインしたが、パンデミックやブレグジットがあったわりには、物価の上昇は最小限だったようだ。
ランキングを見ると、ドバイ、パリ、マイアミなど、世界でも生活費がかなり高いと思われる都市が、チャドの首都であるンジャメナ、中国の深圳、ナイジェリアのラゴスといった都市よりも下位に位置していることが意外に思えるかもしれない。
その一因として挙げられるのは、このランキングは、アメリカに本社を置くマーサーにより行われた、海外に社員を派遣しているアメリカ企業を対象とした調査をもとに作成されているという点だ。順位付けのために各都市の比較対象となったのはニューヨークで、各都市の生活費を算出する際に用いられる「財のバスケット(財の組み合わせ)」の過去データには、ジーンズ、ハンバーガー、ハイネケンのビールといったアメリカの定番商品が含まれていたこともあったという。つまりこの調査では、現地通貨の価値がアメリカドルに対して大幅に上昇している国の都市が、順位を急上昇させるという傾向にあるようだ。
このランキングのトップ20は以下の通り。完全版はこのページからダウンロードできる。
2021年世界生計費調査‐都市ランキング(マーサー)
1. アシガバート(トルクメニスタン)
2. 香港
3. ベイルート(レバノン)
4. 東京(日本)
5. チューリッヒ(スイス)
6. 上海(中国)
7. シンガポール
8. ジュネーブ(スイス)
9. 北京(中国)
10. ベルン(スイス)
11.ソウル(韓国)
12. 深圳(中国)
13. ンジャメナ(チャド)
14. ニューヨーク(アメリカ)
15.テルアビブ(イスラエル)
16. コペンハーゲン(デンマーク)
17. 広州(中国)
18. ロンドン(イギリス)
19. ラゴス(ナイジェリア)
20. リブレビル(ガボン)
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