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ゲリラ的なアート活動で世界中から注目を集めている、覆面アーティスト・バンクシー。社会風刺を凝らしたグラフィティやストリートアートで強いメッセージを発信し続けているバンクシーの名は、サザビーズの「シュレッダー事件」によって一躍世界に広まった。
そのバンクシーのオリジナル作品を含む、版画、立体オブジェなど70点以上をはじめ、映像やポスターなど計100点以上を紹介する過去最大級のバンクシー展『バンクシー展 天才か反逆者か』が開幕。2022年3月8日(火)まで、原宿駅前のウィズ原宿で開催中だ。同展は、2018年からモスクワ、マドリード、香港、ニューヨーク、ロサンゼルスを巡回し、2020年に日本に上陸。大阪、名古屋、福岡の主要都市を巡回し、これまでに累計300万人以上を動員してきた。
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展示される作品は、主にプライベートコレクターの秘蔵作品。社会的弱者をドブネズミに重ねた「ラット」シリーズに、ロンドンの湖水泳場に設置された標識の作品『ノー・スイミング』、少女がミサイルを持つというアイロニックな作品でありながら、バンクシーらしいウィットを併せ持つ『ボムラブ』など、貴重な作品が展示される。そのほか、イギリス紙幣のエリザベス女王をダイアナ妃に変えた偽紙幣『ティーアイ・フェイスト・テナ』などの作品から、その社会的背景、そして、バンクシーの制作意図やメッセージをあぶりだしていく。
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見どころは盛りだくさんだ。東京展のメインビジュアルにもなっている『ラフナウ』は、バンクシーの初期作品。当時の自分自身を猿に投影し、若い野心をのぞかせる。バンクシーを語る上で外せない『ガール・ウィズ・バルーン』も展示されている。
東京展では、日本では初展示となる、ニューヨークの開催時に人気を博したバンクシー作品の「ルーツ」を探るオリジナル企画コンテンツも紹介。アンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキアの作品との比較展示を通して、バンクシー作品の制作背景に迫り、再解釈するという試みは、現代アートファン垂涎の企画だろう。
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消費文化を冷静に皮肉ったバンクシーは、ウォーホルがマリリン・モンローの肖像からインスピレーションを得て、制作当時のポップアイコンであったスーパーモデルのケイト・モスをモチーフとした『ケイト・モス』を発表している。今回の展示では、ウォーホルの『マリリン』をコンプリートする10作品をそろえ、バンクシーのインスピレーションの源となった『マリリン』を再解釈する。
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バスキアも、バンクシーに多大な影響を与えたアーティストのひとりだ。同展には、バンクシーもオマージュした、バスキアの代表作『ジョウボーン・オブ・アン・アス』(制作年:1982年-2004年 作品提供:株式会社ANDART)も展示される。
強烈で見るものによって解釈が異なるメッセージ性こそ、バンクシー作品の真骨頂。展示では自分なりの解釈を楽しみたい。会場には、バンクシーのスタジオを再現したインスタレーションも紹介。場内には、『ガール・ウィズ・バルーン』の少女になりきれるものなど、遊び心あふれるフォトスポットも多数用意されている。バンクシーの世界にとことん身を委ねてみてはいかがだろう。
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