[title]
ラブドールメーカーとして知られる「オリエント工業」のショールームが2022年6月にリニューアルした。場所は上野駅から徒歩5分ほどの雑居ビルの中。これまでは完全予約制のショールームとして営業していたのだが、予約なしでも気軽に行ける、ギャラリーとしての機能も持たせた場所となった。
少し緊張しつつもドアを開けると、なんとイケメンが出迎えてくれた。
オリエント工業の歴史は長く、今年でなんと45周年。ビニール製の「ダッチワイフ」から始まり、今では医療用ロボットの製作に協力するなどその技術にも注目が集まっている。元は女性の「代替品」として生まれたものが、それだけにはとどまらない「存在」へと進化しているのだ。
多くの人に開かれたギャラリーへ
5年ごとに都内のギャラリーで展示を行ってきた同社。40周年を記念して行われた「アツコバルー」での展示は大盛況で、1万人が訪れた。特に女性客が多く来場し、この反響をきっかけに映画「ロマンスドール」が制作されることになった。
今回のリニューアルは、これまでの展示が盛況だったことやコロナ禍での生活の多様化に伴い、さらに多くの人にその技術を知ってもらいたいということで、ギャラリーとして多くの人に開かれた場へと変化を遂げた。
下町の職人と各分野のプロフェッショナルの技が光る作品
オリエント工業のドールたちは、町工場が点在する葛飾区の工場で作られている。金属フレーム加工は下町の職人が製作、メイクや造形、パーツなどそれぞれの分野を担当するプロフェッショナルが集結する。
ショールーム内には、そんなプロたちが提案したアイデアをもとにして製作されたコンセプトドールが展示されている。
今回話を聞いた造形担当の大澤は、古今亭のおはこの一つであるネタ「今戸の狐」をテーマにした作品を手がけた。大澤のアイデアをもとに、それぞれの分野のプロと分担して完成したチームワークの結晶とも言える作品だ。細部まで作り込まれた造形技術を、ぜひ生で鑑賞してほしい。
ラブドールをインテリアと融合させた作品「セイント・ミュール」。実用家具としてではなく、精神的に温もりを感じられる女神をイメージして作られている。
また、通常のドールを造るにあたり意識していることは「中間の表情」で、表情に余白を持たせることがポイントだそう。これは持ち主が「今日はちょっと元気ないね」「幸せそう」など想像を巡らすことができるからだ。
このほかにも、過去の展示用に製作したさまざまなアートなドールが倉庫に眠っている。入場料は500円。今後は展示変えや、状況を見てイベントも実施していく予定だ。
オリエント工業 ギャラリー&ショールーム
〒110-0005東京都台東区上野5-23-11 スグルビル3階 03-3832-4832
アクセス:JR『御徒町』駅(南口)徒歩2分/日比谷線『仲御徒町』駅(出口5)徒歩1分
関連記事
『オリエント工業』
『巨大なドラえもんが登場? 六本木アートナイト3年ぶりの開催が決定』
東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら