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ロンドンのオックスフォード・サーカス、つまり、2021年初頭まで巨大なTopshop旗艦店があった辺りは人通りが多く、常に混雑していている。ここを歩く多くのロンドン市民は、いつも無事に道を渡りたいと考えているに違いない。しかし2021年6月中旬、今後数年でオックスフォード・サーカスを人々が行き来しやすい場所に変えていく計画が発表された。
この計画は、地元議会と王室所有の土地を管理するクラウン・エステートが発表したもの。ロンドンの2つの有名なショッピング通りとして知られる、オックスフォード・ストリートとリージェント・ストリートの交差点である、オックスフォード・サーカスの両側を歩行者用の「広場」にし、周辺を再整備するという。
現段階の計画では、オックスフォード・ストリート上のグレート・ポートランド・ストリートとジョン・プリンス・ストリートの間、150メートルの区間を歩行者専用区間に変更。バスとタクシーの通行も禁止にし、車はメリルボーン、フィッツロビアを経由して、オックスフォード・ストリートと並行して走るマーガレット・ストリートへ迂回(うかい)させる。
リージェント・ストリートでの車の通行は引き続き可能。横断歩道を制御して歩行時間が長くすることは計画に盛り込まれているが、そのほかのルールは未定だ。また現在の計画には、地下鉄オックスフォード・サーカス駅の入り口を新設する案も含まれている。
オックスフォード・サーカスの横断歩道や地下鉄駅入り口では、危険なほど人が群がる光景がよく見られる。冬のロンドンを訪れ、クリスマス直前に買い物をしている人たちの中に入ってしまい、二度とゴメンだと思ったことがある人も多いはずだ。こうした混雑が解消されるのであれば、これほど喜ばしいことはないだろう。
オックスフォード・サーカスでは2009年、今回と同じように混雑を解決するという目的で、膨大な予算をかけて人々が斜めに交差点を渡れる「スクランブル方式」が導入された。しかし、1時間に4万人もの歩行者が、信号機で「緑の人」が表示されるのを待つという現実への対処とはならなかった。
今後この計画はフェーズを分けて進められる。広場は2021年末までに設置され、地下鉄駅入り口の工事などは、2022年4月以降にスタートする見込みだ。2022年に予定されている、地下鉄エリザベス線の市内中心部までの開通が実現すると、オックスフォード・サーカスはさらに買い物客でごったがえすだろう。その時までに、混雑緩和の整備が終わることを望んでいる。
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