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ロサンゼルスのロスフェリッツに、1923年にオープンしたVista Theatreという映画館がある。キッチュなエジプト風アールデコスタイルの内装、1列ごとに座席を撤去して設けられた広い足元スペース、長年マネジャーを務めたビクター・マルティネスによる「映画コスプレ」など、この老舗映画館が街の人気スポットであり続ける理由は枚挙にいとまがない。
最近、この映画館の人気をさらに広げるであろう要素がもう一つ加わった。それは、クエンティン・タランティーノが新しいオーナーになったこと。2021年7月5日に配信された、ダックス・シェパードによるポッドキャスト『Armchair Expert』のエピソードで、タランティーノが「Vistaを買ったんだ。多分、クリスマスの頃に開けるつもりだよ」と、Vista Theatreの購入を発表したのだ。
ほかに発表された情報はあまりないが、Vista Theatreの雰囲気や一つのスクリーンで新作、旧作を入り混ぜフィルムで上映するというスタイルは、ほぼそのまま維持されるよう。
タランティーノがロサンゼルスの映画館を購入するのは初めてではない。2007年、彼は再開発の危機に瀕していたフェアファックスの映画館、New Beverlyを購入。それ以来、歴史ある映画館を存続させるため、名作の35mmフィルム上映、自身作品の上映、グラインドハウス映画祭などを企画し、映画ファンを魅了している。
Vista Theatreの運営元だったVintage Cinemas社は、一時休業していた同映画館の再開計画について、「2021年後半」ということ以外は発表してこなかった。ロサンゼルスタイムズ紙によると、同社は政府からの資金提供を待っている状態だったようだ。一方、同社が運営してるLos Feliz Theatreについては、2021年7月から多彩な映画作品の上映を手がけている非営利団体、American Cinematheque がプログラムを担当することが発表されている。
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