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六本木ミュージアムで、従来の「見る」展示を超えた新感覚の『体験ミュージアム「約束のネバーランド」GFハウス脱獄編』が、2021年7月17日に開幕した。来場者は子どもたちが暮らす児童養護施設「GF(グレイス=フィールド)ハウスの一員」となったつもりで、主人公エマたちがGFハウスの真実を知り、脱獄するまでの各シーンを、匂いまで再現された臨場感あふれる空間演出とアニメーションによって、一緒に体験することになる。
ここでは、全7章から構成される本展の見どころを5つピックアップして紹介。GFハウスの謎に包まれた扉の奥へ案内しよう。
1. リアルな小物に注目する。
GFハウスの日常を再現した第1章の部屋では、幸せな食事シーンのアニメーションが流れる。この部屋では、モニターの前に装飾された食卓のプロップス(小物)も細かくチェックしてみてほしい。なんと、置かれているパンなどは全て本物で、リアルな体験がとことん追求されているのだ。
幸せな雰囲気とは打って変わって、第2章からはたちまち不穏な空気に包まれる。里子に出されることになった登場人物のコニーが大切にしていたぬいぐるみを忘れていることに気付いた主人公たちは、ぬいぐるみを届けるために規則を破って門へ向かう。
ここでも、大掛かりなレンガ造りの門の再現とコニーを乗せたトラックなどのプロップスが非常にリアルで、その場にいるような緊張感が味わえる。トラックの内側にはモニターが設置されており、そこにはコニーの衝撃的な姿が。マンガやアニメ、映画を超える本物のショックと恐怖が感じられるだろう。床下に隠した脱獄用のロープ、ドアの隙間に挟まったメモなど、細部までこだわったプロップスの数々は見逃せない。
2. 命懸けの鬼ごっこをする。
第3章では、シスターのクローネと子どもたちが鬼ごっこをする森を再現。ここは撮影可能なエリアで、芝生の上に乗ることもできるので、思いっ切りはしゃぎ、一緒に鬼ごっこをしているような写真撮影を楽しもう。中央の時計の前に落ちている葉っぱの形にも工夫があるので、探してみてほしい。
3. 暗号を解読する。
子どもたちは、次第にGFハウスがただの児童養護施設ではないことに気付いていく。そこで重要な役割を担っているのが、図書館に寄贈された書籍に刻印されているウィリアム・ミネルヴァという人物の名前とフクロウのマークだ。実は、来場者が持っている入場チケットにも同じ刻印がある。
フクロウを円で囲む線はモールス信号になっていて、ミネルヴァが間接的に外の情報や脱出の手助け、危険物の存在を伝えているのだ。自分のチケットにどんなメッセージが込められているのか、忘れずに確認しよう。
4. キャラの心の動きを体感する。
本展の最大の魅力は、やはり各場面で登場人物がどのような感情を抱いているのかを直接的に体感できることだ。アニメーションと印象的なセリフが折り重なる展示空間で、エマが恐ろしい真実を知ってしまった時の焦りや、友人のノーマンと別れなければならない時の寂しさや悔しさ、犠牲になろうとするレイの心情など、ラストに向かうにつれて感情が激しく揺さぶられる。
最後の脱獄のシーンでは、来場者は階段を上ってGFハウスを囲む塀の上から映像を眺める。脱獄できた開放感で満たされるのかと思いきや、生まれ育った大好きなハウスが燃えていく寂しさ、敵対者ではあってもママであることに変わりないイザベラとの別れの悲しさなど、複雑な感情になることだろう。何かから解放されたように髪をほどき、ほほ笑むイザベラの最後の表情を映像でじっくりと目に焼き付けてほしい。
5. カフェでくつろぐ。
手に汗握る脱獄を達成した後は、会場内にあるコラボレーションカフェ、ミネルヴァ・カフェでひと休みしよう。『グレイス=フィールドハウスのガーデンサラダプレート』や『エマとクローネの森の鬼ごっこ~ハンバーグプレート』など、『約束のネバーランド』の象徴的なシーンをイメージした、ここでしか楽しめないメニューが提供される。
『体験ミュージアム「約束のネバーランド」GFハウス脱獄編』は、2021年7月17日(土)〜
『体験ミュージアム「約束のネバーランド」GFハウス脱獄編』の詳細はこちら
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