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ベネチアを訪れたことがある人なら、この街が何十年にもわたって過密状態にあることを知っているだろう。リアルト橋やサン・マルコ広場周辺の石畳の路地を歩くと、リラックスしたバカンスを楽しんでいるというよりはラグビーをしているような気分になるほど、ピークシーズンには多くの観光客でごった返す。
しかし、2021年から市は「反撃」を開始している。特にターゲットとなったのは、日帰り観光客。彼らは、水平線を遮るクルーズ船からベネチアの主要観光スポットに流れ込むことが多く、街の通りを渋滞させ、街の資源に負担をかけている。
そのため2021年夏には、ユネスコ世界遺産に登録された歴史地区へのクルーズ船の寄港が禁止に。またイタリア政府も、マスツーリズムから壊れやすい生態系を保護する目的で、ベネチアのラグーンを国定公園に指定した。
以前から計画されてたベネチアへ入る際の「入域料」を徴収する取り組みに関して、市政府は2022年6月からの試験的導入を目指し、事前予約をできるようにするための準備を進めている。現在のところ、試験運用は半年続く予定だ。
この取り組みの運用開始後、(少なくとも12月までは)人々はベネチア訪問のための予約が求められる。予約者は取得した「QRコード」を使って、ベネチアの主要なポイントに設けられる改札を通って入域することになる。
入域料はハイシーズンで10ユーロ(約1,390円)、閑散期には3ユーロ(約420円)にまで下がる見込みだ。ベネチアの住民、会社員、学生など、毎日のように街へ往来する人たちには、携帯電話の「バーチャルキー」を使って入域可能になる。
だからといって、改札を不正に通り抜けようとすることはお勧めしない。改札は、市街地に設置された500台のカメラと連携していて、入域料を払っていない「迷子の観光客」を捜索するそうだ。
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