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カモのような平たいくちばしと水かきが付いた手足、ビーバーのようなしっぽを持つ不思議な動物、カモノハシ。そのユーモラスな外見が有名だが、実は地球上でオーストラリアにしか生息していない珍しい生物だ。
2021年3月4日、オーストラリアのタロンガ保護協会は、カモノハシのための保護施設を2022年までに建設すると発表した。場所は、オーストラリア、ニューサウスウェールズ州のタロンガ・ウエスタン・プレインズ動物園で、一度に65匹の生体を収容することが可能になるという。
カモノハシは哺乳類でありながら、卵を産む単孔類に属する。祖先とみられる動物と現世の個体に共通する特徴から「生きている化石」とも呼ばれ、いまだその生態が解明されていない生物だ。
タロンガ保護協会のキャメロン・カー最高経営責任者は、「保護施設を作ることで、オーストラリアにおける繁殖の解明についてカモノハシがどんな環境を好み、何が繁殖を促すのか知る機会となる」と今後の取り組みについても声明した。
カモノハシは長距離の輸送が難しく、日本の動物園ではもちろん飼育されていない。海外への渡航は難しい現在だが、近い将来、生きたカモノハシに出合える機会が訪れるかもしれない。
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