Photo of the Day - ヴィーナスフォート

1999年に開業、2022年3月27日に惜しまれながら閉館した「ヴィーナスフォート」。その最後の姿をここに記す。

日本初のテーマパーク型ショッピングモールとして、お台場にある複合施設パレットタウン内にオープン。都内に出現した、非日常の街並みと買い物が同時に楽しめる空間として、たちまち話題のスポットになり、これまでに2億人を超える買い物客が訪れた。

中世ヨーロッパをコンセプトにした館内デザインが特徴で、天井には青空から夜空へと刻々と変化する「空の照明」を投影。約1時間で1日が巡る世界観は独特で、ここでしか体験できないことの一つだ。

人気スポットである噴水広場には、季節ごとにさまざまなイルミネーションで彩られる。3月にはなごり雪が舞い散る演出を実施。華やかで幻想的な景色を記憶に焼き付けようと、多くの客が足を止め、カメラのシャッターを切っていた。

石畳の廊下の奥に見える重厚なカジノの入り口はまるで、子どもの頃、夢中でプレイしたテレビゲームの世界のよう。

石や樹木は自然のものを取り入れており、本格的な西洋が感じられる。しかし、現実のヨーロッパには決して存在しないであろう「ナムコ」のゲームセンターが景色に溶け込んでいるという「魔改造的和洋折衷」も、同館でしか味わうことのできなかった不思議な調和だ。

2021年12月の「メガウェブ（MEGA WEB）」を皮切りに、「ゼップトーキョー（Zepp Tokyo）」、「ヴィーナスフォート」と、徐々に閉館していったパレットタウン。8月31日（水）に、シンボルである大観覧車と「森ビル デジタルアート ミュージアム：エプソン チームラボボーダレス（MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless）」が営業終了し、全ての幕を降ろす。跡地の一部には、室内競技用の新アリーナが2025年秋に開業予定だ。

関連記事

『ヴィーナスフォート』

『お台場ヴィーナスフォート「最後の幸せな思い出」をレポート』

『2023年、進化したチームラボボーダレスが「虎ノ門・麻布台プロジェクト」に誕生』

『Photo of the Day - ageHa THE GRAND FINAL』

『「嫌だ！閉めたくない」、アキバを代表するゲームセンターが9月で閉館』

東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら