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生・性の多様性とセクシュアルマイノリティー(LGBTQ+)の人々への理解を促す「東京レインボープライド2023」が2023年4月22・23日に開催。1日目は約10万人、2日目は約13万人の人々が訪れ、過去最大の盛り上がりを見せた。
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今年のテーマは「変わるまで、続ける」。2日目はプライドパレードが行われ、約1万人の人々が思い思いの衣装やフェイスペインティングなどで着飾り、渋谷から原宿までの約2.5キロメートルを歩いた。
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代々木公園イベント広場&野外ステージを会場に開かれた「プライドフェスティバル」では、ゲストアーティストによるライブパフォーマンスや企業・支援団体によるブースが出展。10カ国以上の大使・公使によるステージ登壇などさまざまなコンテンツが繰り広げられた。
本記事では13万人もの人々が集結した23日の様子を紹介。パレードや会場のにぎわいと熱気を目で感じてほしい。
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YOUTH PRIDE JAPAN YOUTH PRIDE JAPAN(ユースプライドジャパン)は、東京レインボープライドの10代、20代のボランティアスタッフを中心に活動しているプロジェクトだ。彼らが考える「自分らしさ」や価値観、リアルな声を発信していくことで同世代の悩みや課題を解決するサポートをしている。
立ち上げ初期の2020年2月から活動に参加するLilyは、昨年と比べ来場者が激増したことに非常に驚いているようだ。Lilyは自身のジェンダーやセクシュアリティーは定めていない。「自分の周りの友人に活動を知ってもらえることや、カミングアウトできていないが、勇気を持って足を運んでくれた友人がいてとてもうれしい」と話す。
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今年のメインビジュアルは、フランスを拠点に世界で活躍しているアーティストのMaaya Wakasugi(マーヤ・ワカスギ)が担当した。「末広」という縁起のいい扇型に虹を描くことで、明るい未来につなげていくことを表現している。
Maayaは、今年のレインボープライドの盛り上がりに「非常に感動している」と笑みを浮かべた。「レインボープライドが東京で開催され始めた当初はカミングアウトされる方も少数で、沿道から知り合いにバレないようにサングラスをかけながら緊張しながら歩いていたことを、昨日のことのように覚えています」
日本の状況の変化に感心しつつも、「フランスにはチョイスがあるが、日本にはいまだにない。人権を守る制度があるべきだ」と語った。
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ドイツ大使館のブースは、「愛でつながろう」がテーマ。グッズやリーフレットの無料配布に加え、ベルリン在住のドラァグクイーン、Vivienne Lovecraft(ヴィヴィエンヌ・ラブクラフト)が登場。LGBTIQ+についてどのくらい知っているか、チャレンジできるクイズコーナーもあった。
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「恋愛関係以外のハッピーエンド」をテーマに、全ての愛が等しく語られる世の中を目指し、制作中の映画「何をそんなに慎ましく」の監督・吉田奈津美を含むチームも参加していた。2023年6月30日(金)まで制作費支援のクラウドファンディングを実施している。コメントは以下の通り。
「世界中の人々の尊厳が保障され、より良い世界に向かうために、建設的な対話と行動を!」(ゆうま)
「一人一人に色があること、その多彩な色が交わった時の美しさ、ここから何かが始まる期待感! ドキドキとワクワクでいっぱいになりました」(倉持)
「一人として同じ人間はいないこの世界。私たちも自分たちなりの伝え方で、次の未来への一歩を後押しできたら」(吉田奈津美)
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今年のレインボーパレードの参加者は、39組のフロートの中から自分で参加したい団体を選ぶスタイルだ。通りには、パレードを心待ちにする人たちが集まり、「Happy Pride!(ハッピープライド!)」と声を上げる参加者に向けて皆が手を振り、笑顔が絶えなかった。
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パレードを待っている時に出会ったMark Horn。日本を旅行中で、1970年代にニューヨークでゲイ解放運動に参加していたメンバーの一人だそう。1980年代には日本に住んでいたことがあり、当時の写真を見せてくれた。
「自分が東京に住んでいた時には、レインボープライドは存在しなかった」と、時代の進化をうれしそうに話していた。
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「レインボープライド2023」は終了したが、LGBTQ+当事者たちの戦いは今年のテーマの通り、「変わるまで、続く」。6月にはプライドマンスも控えている。「性と生の多様性」がいつでもどこでも受け入れられる日が来るまで、皆で戦い続けよう。
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『「クィアならではの経験は?」「レインボープライド行く?」QUEER VOICE前編』
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