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最高の音質と音量を兼ね備えた最先端のサウンドシステム「Void Acoustics INCUBUS」を主役にした野外音楽イベント「INCUBUS CAMP RAVE」が、2023年10月14日神奈川県の川崎ちどり公園にて開催された。
同イベントは、渋谷の「不眠遊戯ライオン」で隔月第3土曜日に開催されていた「INCUBUS CAMP×plug」をきっかけに2022年から始動。国内の若手DJやヒップホップアーティストなどをフィーチャーしながら、ドラムンベースやジャングル、アマピアノやガラージなどのレイヴサウンドを発信してきた。また、渋谷の「CIRCUS Tokyo」を舞台に、海外からµ-ZiqやFractal Fantasy、Goldieなどのアーティストを招いた「INCUBUS CAMP×CIRCUS」が開催されたのも記憶に新しい。
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当日は若干肌寒くもあったが天候に恵まれ、多くの音楽ファンが川崎の工場地帯に位置する会場に集結。今回は、イギリスのダンスシーンで注目を集めるUKベースの新世代、RoskaとConductaをダブルヘッドライナーに、国内からは東京のクラブシーンを盛り上げるAmapi NightやRave Racers、TYO GQOM、SAMOなどのコレクティブやアーティストたちが1日を通してフロアを沸かせた。
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メインフロアのブースの両脇にドシンと置かれたVoid Acoustics。オープニングと中盤に登場したTYO GQOMによる、現行のアフリカンダンスミュージックとソリッドかつヘヴィな音響の融合が、サウンドシステムの存在感を序盤から引き出す。
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不眠遊戯ライオンがキュレーションするエリアには、店の象徴でもある金のライオンが登場。店のサブマネージャーでもありアーティストでもあるKick a showはフロアを仕切りながらDJも勤め、この日は朝からフル稼働だったと話していた。こちらのフロアでは、ライオンとゆかりのあるDJ陣がレゲトンからヒップホップ、ダンスホールまで幅広く「渋谷」を感じられるダンスミュージックを奏でた。
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ヘッドライナーのRoskaは、14時に登場。2000年代にダブステップから派生した「UKファンキー」の現行シーンにおいて、最も注目されるアーティストだ。ハウスやガラージ、トライバルなエッセンスを織り交ぜたグルーヴとリズムにフロアはヒートアップ。
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FULLHOUSEと、同コレクティブのメンバーでもあるSAMOがRoskaを引き継ぐ。ダンサーやメンバー達がステージ上で一体となった、ジャンルレスでエネルギッシュなサウンドとパフォーマンスが印象的だった。
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ハウスライクなチューンからスタートしたConductaは、90年代UKレイヴ色の強いセットを展開。後半は彼のシグニチャーサウンドでもある、ガラージやツーステップも盛り込んだ。進化し続けるイギリスのダンスミュージックシーンを、リアルに体感させてくれた。
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イベントの後半には、Rave RacersやTribal Connection、Jun Inagawaが登場。MCによるラップやジャングル、ドラムンベースなどのサウンドを含んだ、イギリス勢に引けを取らないダイナミックなセットを披露してくれた。
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リバイバルを果たし、世界的に注目を集めているイギリスのレイヴカルチャー。しかし、現代版のシーンとは、もっと多様で実験的な要素があるものなのかもしれない。今回は、東京の新世代がリードする新たな文化との融合を垣間見る、貴重な機会となった。
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