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去る2023年11月24日、野外フェスティバル「Rainbow Disco Club(以下、RDC)」が主催する「RDC Sound Horizon」の2回目となるイベントが、新木場の工業地帯にある「ガーデン 新木場 ファクトリー」で開催された。9月に実施された第1弾では、デトロイトのレジェンド、セオ・パリッシュ(Theo Parrish)が4年ぶりに来日。その圧倒的なDJプレイに、多くの人が心を奪われたのではないだろうか。
熱狂が冷めやらぬまま開催された第2弾には、ずば抜けた才能とセンスでハウスシーンで絶大な支持を得るMotor City Drum Ensembleことダニーロ・プレッソ(Danilo Plessow)が登場。世界中のフェスティバルを飛び回る唯一無二のDJ NOBUがハウス・ディスコセットを披露し、冒険的でエネルギッシュなプレイを特徴とするディー・ディグス(Dee Diggs)が初来日を果たした。
木枯らしが吹く、イベント当日。会場の「ガーデン 新木場 ファクトリー」は、2021年にオープンした大規模なウェアハウススペースだ。巨大なサウンドシステムから聴こえてくるサウンドは、なかなかの音量。サウンドシステムは東伊豆のRDC同様、d&b audiotechnikが設置されているという。DJたちがここまで広いスペースを舞台に、一体どのように音を操っていくのか、期待が高まる。
各プレイヤーのセットタイムは2時間。オープニングにはブルックリンを拠点にするディー・ディグスが登場し、ソウルフルかつバウンシーなセットでゆっくりと会場を温める。R&Bやディスコ、時にはテクノも織り交ぜるスタイルは、過去と未来を行き来しながらゆっくりとオーディエンスをグルーヴに乗せていく。ダンスミュージックの先駆者たちへの敬意を感じさせるようなDJセットだった。
25時を回った会場はすでに高揚感に包まれていた。DJ NOBUが、スペーシーで心地よいサウンドとともに登壇する。普段は見せない貴重なハウス・ディスコセットということで、オーディエンスからも注目が集まっていた。
エレクトロ色の強いブギー、ヒプノティックなハウスサウンド。それらをぐるぐると展開しながら、時にはハードな部分も重ね合わせる。中盤にはシンセ色の強いキャッチーなディスコナンバーも連発するなど、意外性も感じられるセットだった。彼ならではの「ハウス・ディスコ」を、大いに体感できたのではないだろうか。
突如、ソウルフルなファンクナンバーに切り替わった会場が、待ちわびていたかのように大きく湧く。トリを務めるダニーロ・プレッソが登場し、ソウルフルなレアグルーヴチューンを次々に連続投下。時にはレコードを巧みに操りながら、折衷性のある多様な音を完璧につないでいく。抜群のセンスとグルーヴでオーディエンスを圧倒させるその姿は、神々しい。フロアは始終笑顔であふれていた。
時間を忘れて踊っていると、いつの間にか夜が明けている。ムーディーマン(Moodymann)やセオ・パリッシュなどのデトロイトレジェンドとしばし比べられることもあるダニーロの確立された立ち位置を、はっきりと見せつけられた心に残るセットであった。そこにいた人全てが、音楽への揺るぎない信念と愛を、しっかり受け取ることができたのではないだろうか。
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