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アトラスによるゲームシリーズ『ペルソナ』。同作の誕生25周年を記念する体験型イベントが、ところざわサクラタウンの角川武蔵野ミュージアムで2022年5月28日からスタートした。
同作は、人気ゲーム『女神転生』の派生作品として生まれた学園ジュブナイルRPG。1996年の第1作『女神異聞録ペルソナ』以来、全5作が発売されている。作中の物語では、自己の中に宿るもう一人の自分の化身「ペルソナ」の能力に目覚めた高校生が、街の異変や事件に立ち向かっていく。
巧みなストーリー構成、複雑なキャラクター設定、高いデザイン性などから、世界的な成功を収めた作品だ。敵と戦いつつペルソナを育成したり、恋愛や学園生活のイベントを楽しんだり、やり込み要素が豊富なゲームとしても名高い。ここでは、シリーズの魅力を詰め込んだ展覧会の見どころを紹介する。
最初のコーナーでは、シリーズの誕生から現在までの歴史を総覧できる。ゲームはもちろん、アニメや舞台などの情報が詳細に記載された壁には、各作品のゲームソフトやゲーム機がずらりと並ぶ。中央には、『ペルソナマガジン』『週刊ファミ通』『電撃PlayStation』の3誌のカバーが飾られており、かつての愛読書を前に懐かしさを抱く人も多いだろう。
奥へ進むと、シリーズを通して主人公を助けてきた不思議な部屋「ベルベットルーム」が登場。青を基調とした空間は、テーマ曲『全ての人の魂の詩』が流れ、異質さが際立っている。実際に採用されなかった歌詞資料を眺めつつ、その雰囲気を味わうのがいい。
「ベルベットルーム」を超えると、そこには第1〜5部作それぞれを特集したエリアが続く。各作品のテーマカラーを用いた空間には、登場人物のグラフィックやパネル、学園生活には欠かせない制服などが展示されている。
またゲーム内のスポットを再現したコーナーも設置。第1作のオープニングで主人公が向き合っていたアーケードゲーム機、第2作で出現するキスメット出版のデスクなど、作品の舞台を肌で堪能しよう。
各エリアでは、作品の開発中に生まれたさまざまな資料に注目したい。キャラクターの設定や人物相関図の資料、原画やラフ画、ムービーの絵コンテ、議事録、企画書など、往年のファンに刺さる貴重品がそろう。スケッチに残る何気ないメモからは、制作の過程を垣間見ることができて面白い。
中でも必見なのは、第3作の主人公がペルソナ使いとして覚醒するシーンを描いた絵コンテ。イラスト、制作側のコメント、ダイアローグなどが克明に記された資料と一緒に、名場面を追体験してみては。
会場で一番目を引くのは、ペルソナ3体の巨大立像。第5作に登場する「アルセーヌ」に加え、今回は第3作と第4作の主人公がそれぞれ使用する「タナトス」と「イザナギ」が初公開となる。各ペルソナのデザインを間近でじっくり観察できるチャンスだ。ライトアップの色が変わるごとに、違った表情を感じさせてくれる照明の演出もうれしい。
展覧会の最後は、マスコットキャラクターのクマとモルガナに会いに行こう。クマ役の山口勝平とモルガナ役の大谷育江、両有名声優のオリジナルボイスは聞き逃さないように。
そのほか、ところざわサクラタウン内のダ・ヴィンチストアやEJアニメホテルといった各所で関連イベントを実施。青春時代を一緒に駆け抜けてきた傑作の奥深さに触れてみては。
※特別に許可を得て、一部撮影禁止エリアの写真を掲載しています
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