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クリストとジャンヌ=クロードの凱旋門包みが実現

60年前のアイデア、フランス政府とポンピドゥー・センターがサポート

Sophie Dickinson
テキスト:
Sophie Dickinson
Freelance contributor
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パリの凱旋門を知らない人はあまりいないだろう。エッフェル塔と並び、同地を代表する巨大なモニュメントだ。目抜き通りであるシャンゼリゼ通りの西端に通りを見下ろすように、力強くそびえ立っている。パリを訪れたことのある人なら誰でもそう思う通り、本当に素晴らしい建物だ。

この秋、凱旋門の外観が(少なくとも一時的に)これまで見たこともないものになる。2021年9月18日(土)〜10月3日(日)開催される『L' Arc de Triomphe Wrapped』と名付けられたアートインスタレーションの一環として、銀、青、赤の布で包まれることになったのだ。

このインスタレーションの原案は、1960年代にクリストとジャンヌ=クロードが描いたもの。今回そのアイデアを、凱旋門を管理するフランス政府がポンピドゥー・センターと共同で実現させる。クリストとジャンヌ=クロードはベルリンの議事堂(1995年)、ニューヨークのセントラルパークのゲート(2005年)など、重要なランドマークを大胆な方法で「包む」ことで知られている。 

Artist Christo with Arc De Triomphe Wrapped Sketch
Photograph: André Grossmann

クリストは2020年、妻のジャンヌ=クロードは2009年に死去。彼らは死後も遊び心のあるアート作品が制作されることを考えていて、クリストは「これらのプロジェクトの多くは、私がいなくても構築できることを知ってほしい。必要なことは全て指示を残している」と語っていたという。

クリストのおいは、2021年初めのガーディアン紙へのインタビューでこのことを事実だとし、次のように語っている。

「彼らはすでに視覚的、芸術的な側面を全て描き出していて、彼らがいなくてもこのプロジェクトは実行できます。このプロジェクトは100パーセントクリストとジャンヌ=クロードのプロジェクト。これはアーティストの願いであり、私たちは彼らのビジョンを実現しているだけなのです」

とても興味深い。あなたのアイデアもどんなにとっぴだとしても、60年後には現実のものになるかもしれない。

原文はこちら

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