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パリは何十年もの間、ロマンティックな街であると同時に、建物が多く、車でごった返している街としても知られてきた。しかしパンデミックの後、この街は「(大気)汚染された街」のイメージを払拭(ふっしょく)し、より「環境に優しい街」になろうとしている。
そのための嫌車的な取り組みの一つが、パリ市役所が最近発表した、2026年までに「100%自転車で移動できる街」を目指す計画だ。これによると、市はパリ全体の自転車インフラに2億5,000万ユーロ(約330億9,500万円)を投資。街における自転車の利便性を大幅に向上、改善していくことを目指す。
では、その投資はどのように使われるのだろうか。
巨額の資金を投じるのが、自転車専用道路の新設だ。合計で180キロメートルの独立した自転車道と既存の道路上に450キロメートルの自転車専用車線を敷設。さらに、パンデミックの際に作られた60キロメートルの自転車専用車線である「コロナピスト」の常設化、13万台分の駐輪場増設も計画している。
また市では、インフラの改善だけでなく、市民の自転車に対する意識も変えることもにも注力。例えば信号待ちの際、自転車、路面電車、バスを優先的に通行させるための新しい交通ルールを導入するほか、市内に20ある区のそれぞれに、自転車のセルフメンテナンスが可能な自転車工房を設置するという。加えて、子どもたちに自転車の乗り方を教えるための大規模な活動も行っていく意向だ。
パリをより環境に配慮した街にするための取り組みはこの計画だけではない。2024年のオリンピック開催に向けて、これまで市は大規模な植樹プログラムを開始し、1区から4区の全域で自動車の乗り入れの禁止も発表している。
今回発表された計画でパリは、サイクリストのための真のパラダイスになる可能性を秘めている。ただ計画を実行に移すには、まず市議会の承認を得る必要がある。議会への提案は2021年11月中旬に行われる見込み。成功を祈ろう。
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