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2023年1月28日、「Study:大阪関西国際芸術祭」が開催した。2025年に世界最大級のアートフェスティバル「大阪関西国際芸術祭」の開催を目指し、「アートとヒト」「アートと社会」の関係性や可能性を検証し、学ぶ(Studyする)ためのプレイベントだ。
2022年1月にスタートしたこのイベントは、今回で2回目となる。会期は2月13日(月)までで、関西に縁のあるアーティストの展覧会をはじめ、国内外のギャラリーが出展。誰でも作品を購入できるアートフェアやカンファレンスも実施される。
会場はJR大阪駅前の商業施設「グランフロント大阪」や解体が予定されているオフィスビル「船場エクセルビル」、北浜のホテル「THE BOLY OSAKA」などのほか、今年は新たに「大阪府立中之島図書館」「飛田会館」などを加えた全12カ所。50組のアーティスト、キュレーターが参加する。
今年初開催の会場である飛田新地は、大阪市西成区にある全国でも有数の歓楽街だ。同地にある「飛田会館」では、メディアアーティストの落合陽一によるデジタル作品を展示。飛田新地の街をデジタルで構築することで、時代によって変わっていく景色と地場の文化をアーカイブ化している。
船場エクセルビルに出現した巨大なアートセンターは、大阪市西成区にある釜ヶ崎の街をイメージした実験的なインスタレーション空間。釜ヶ崎芸術大学が参加しており、実際に釜ヶ崎エリアの人々や同地を訪れた旅人が表した絵や物、ことばなどが詰め込まれている。トークイベントなどが連日開催されているので併せてチェックしてみてほしい。
「うめきたSHIPホール」では、丹原健翔とヌケメが共同でキュレーションを行う展覧会「無人のアーク」を開催。6人のアーティストによる、加速化する社会の中でとどまることを投げかける作品が展示されている。
グランフロント大阪北館1階の吹き抜け広場では、建築ユニット・NOARCHITECTSとアーティストの林勇気による映像作品が展開。「かつての」と名付けられた同作は、梅田エリアが昔は湿地だったことを想起させる風景をビル群のガラス面に反射・投影させている。
このほか、京都芸術大学教授の鬼頭健吾、大阪を拠点に活動する葭村太一らが作品を発表。THE BOLY OSAKAでは、四方幸子がキュレーションし、エキシビションメーカーの石毛健太とやんツーによる2人展「エッセンシャル・クリティカル・インフラストラクチャ」が地下展示場から屋上まで全館に並ぶなど、見どころが盛り沢山だ。
「大阪府立中之島図書館」では、沓名美和のキュレーションによる「二次元派」アーティストの展示を行う。幼い頃に親しんだ少女漫画のような大きな瞳や、ファンシーな色彩の作品が特徴的なきゃらあいや、ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動している現代アーティスト・山口歴などが出展。山口はイッセイ ミヤケやユニクロといった企業とのコラボレーションでも知られている。
アートダイニングでは、第1回目に引き続き大阪の老舗料亭「花外楼」のほか、新たにフレンチの「ルポンドシエル」としゃぶしゃぶ料理店の「ボンカリテ」でも開催。「花外楼」では作家や舞台の作・演出、ドラマ・映画監督、ラジオのパーソナリティーと幅広く活躍するアーティスト、大宮エリーが参加。ルポンドシエルは日比野克彦、ボンカリテは遠山正道とそれぞれコラボレーションを行う。開催日時はそれぞれ異なるので詳細は公式ウェブサイトをチェックしてほしい。
2月10日(金)~12日(日)には「アートフェア」が、グランフロント大阪の地下にある「ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター」で実施。これはさまざまなアートギャラリーが一同に集まり、作品を展示販売する催しだ。前回よりも規模を拡大し、NFT作品やビンテージ家具などが出品される。
チケットは当日券(3,000円、学生2,000円、中学生以下無料)が公式チケットページで発売中だ。プログラム概要、参加アーティストのさらに詳しい情報などは公式ウェブサイトを確認してほしい。同芸術祭で、アートを「見る」「買う」「食す」「学ぶ」という異なる要素から楽しんでみては。
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