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能登半島の飲食関係者を支援するチャリティーイベントがNARISAWAで開催

募金に対しておにぎりを返礼として振る舞う「Onigiri for Noto」プロジェクト

テキスト:
Genya Aoki
Onigiri for Noto
Photo: Keisuke Tanigawaナリサワのシェフ成澤由浩(左)とワギュウマフィアのトータルプロデューサー浜田寿人(右)
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「令和6年能登半島地震」によって、多くの飲食店が被害を受けた。そんな中、現地のシェフら飲食関係者が身銭を削り炊き出しを行い、人々の明日をつないでいるという。

東京からも何かできないかと、南青山のレストラン「ナリサワ(NARISAWA)」と和牛専門店「ワギュウマフィア(WAGYUMAFIA)」が、2024年1月6日(土)に、おにぎりを返礼として振る舞う募金活動「Onigiri for Noto」をナリサワ店舗前で実施した。

これは、1,000円以上の募金をしてくれた人におにぎり1つを振る舞うというもの。コロナ禍で医療者支援の取り組みとして、全国の酒蔵が地元の病院におにぎりを届けた「#onigiriforlove(おにぎり・フォー・ラブ)」というプロジェクトが前身で、同企画の初回から数えると25回目となる。

Onigiri for Noto
Photo: Genya Aoki

今回は、ウクライナ出身の兄弟による人気ユーチューバー「サワヤン(SAWAYAN)」や、第5代RIZINバンタム級王者である格闘家のフアン・アーチュレッタも参加。事前の告知でファンに呼びかけを行い、朝からともにおにぎりを握っていた。

募金は12時スタート予定だったが、11時30分には80人ほどが行列をつくり、急きょ時間を前倒してスタートした。

Onigiri for Noto
Photo: Keisuke Tanigawa
Onigiri for Noto
Photo: Keisuke Tanigawa

用意されたおにぎりは385個。両レストランのシェフと友人の飲食関係者ら30人ほどが朝9時から集まり、おにぎりを握った。子どもから大人、出身国もさまざまな人まで分け隔てなく、輪になって握っている姿は、それだけで力をもらえるような活力に満ちていた。

同プロジェクトの主催者の一人であるワギュウマフィアのトータルプロデューサー・浜田寿人は、「おにぎりは、自分で作って食べるより、だれかのために作ることが多いのではないでしょうか。必要なのは水と米だけなので、誰でも作れるメニューです。人が集い、被災した人へ心を向けること自体が大切なことなのではないかと感じ、開催しました」と語る。

Onigiri for Noto
Photo: Genya Aoki

とはいえ、ミシュラン二つ星を獲得したナリサワはもちろん、多くの著名人をファンに持つワギュウマフィアも、世界中からゲストが訪れる名店だ。具材はあるものを持ち寄りで用意したというが、作られたおにぎりはいずれもハイクオリティーであるのは言うまでもない。

提供されたのは、「赤シソとコンブの佃煮」「神戸牛のビーフシチュー」「とろろとシソご飯、コンブ、南高梅」「尾崎牛の内蔵で炊いた佃煮とおかか」の4種。塩は「能登産 珠洲の塩」、米は、石川県輪島産「能登ひかり(たんじゅん農)」を使用。これは、原宿の精米店「小池精米店」の三代目店主である小池理雄が30キログラムを無償協賛したという。

Onigiri for Noto
Photo: Keisuke Tanigawa
Onigiri for Noto
Photo: Keisuke Tanigawa

今回集まった募金は、材料費や人件費は一切引かれず、全額が現地で炊き出しを実施している人や被災したレストランなどの関係者へ、直接送られる。

共同主催者の成澤由浩は「これが始まりです。食の力・重要性と心のケアの両面で考えながら、これからも良い形を模索し、支援していきます。長い付き合いをお願いします」と先を見据える。

震度7を超える地震が発生してからまだ6日。余震は今も続いている。日常を取り戻すには長い期間がかかることだろう。今後、同プロジェクトでは、被災地のシェフへのレストランの貸し出しや、観光客が被災地に戻ってきてもらうためのPRプロジェクトなども検討しているそうだ。

Onigiri for Noto
Photo: Keisuke Tanigawa参加者一同

一過性ではなく、被災した人々を長い目で支援しようとする力強い姿勢に胸を打たれた「Onigiri for Noto」プロジェクトの第一弾。その動向にこれからも注視したい。 タイムアウト東京では、東京から今できる支援リストも作成している。併せて参考にしてみてほしい。

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