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料理人の愛と未来が詰まったsioの新店舗が10月1日表参道にオープン

いつ訪れてもおいしい、どこを切り取っても心地よいチームズレストラン

テキスト:
Shiori Kotaki
ホテルズ
Photo: Kisa Toyoshima
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ミシュラン一つ星を2年連続で獲得しているレストラン、シオ(sio)の新店舗が2021年10月1日、北青山の複合施設ののあおやま内にオープンした。ホテルズ(Hotel's)と名付けられた同店のコンセプトは「架空のホテルのレストラン」。抜けのないおもてなしに、細部までこだわったリラックス空間、そしてモーニング、ランチ、ディナーと、いつ訪れてもそれぞれの時間帯に合わせた最高のメニューが楽しめる同店は、まさにホテルのようにくつろぎのある一軒だ。

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ロゴデザインは、クリエーティブディレクターの水野学が率いるgood design company(Photo: Kisa Toyoshima)

誰もが分かる料理をミシュランシェフのクオリティーで

提供メニューは朝、昼、夜で異なるが、全てに共通するのは「分かりやすい料理」であること。「ハンバーガー」「サラダ」「オムレツ」など、誰もがおいしいと思える身近な料理をミシュランシェフのクオリティーで提供している。 

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唯一、全ての時間帯で楽しめる『ホテルズサラダ』。野菜や旬の果物など、約20種類の食材が用いられている。ドレッシングは、蜂蜜やバルサミコでアクセントを加えたオリーブオイルベースのシンプルなもの。それぞれの素材の味も生かされている(Photo: Kisa Toyoshima)

 「よく分からない料理を食べておいしいと言う、今のレストランに疲れている」と話す同店のシェフ、鳥羽周作の言葉のように、食事へ行ったのになんだか気疲れしてしまったなんて経験をしたことがある人もいるだろう。同店では、「雰囲気」ではなく、「おいしいもの」を心から堪能できる空間づくりがされているので、きっと誰もがリラックスして食事を楽しめるはずだ。

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ランチタイムに提供される『ホテルズハンバーガー』。神戸牛の塊肉を店でミンチし、脂を固めるために少し寝かせたパティはステーキのような食感。贅沢な一皿だが、同店ではパティとバンズの食感を堪能するために手で食べることを推奨している(Photo: Kisa Toyoshima)

料理だけを作っている人はストイックじゃない

その空間にも通ずるところだが、店全体がディレクションされたホテルズは、どこを切り取っても抜かりない。「料理だけを作っている人はストイックじゃない」という自身の言葉を反映するように、鳥羽は料理を盛る器から家具、おしぼり、それぞれの時間で選曲が変わる音楽、スタッフのユニフォーム、そしてトイレの香りに至るまで、店に足を踏み入れてから食事を楽しんで帰るまで、来店客が気持ち良い時間を過ごせるようにと、全てに意味を込めてチョイスしている。

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店内の様子(Photo: Kisa Toyoshima)

テーブルや椅子など、店にある全ての家具は1928年に広島県で創業した木工家具メーカー、マルニ木工の製品。鳥羽が工場に足を運んだ際にほれ込んだという家具は、木の魅力を引き出すデザインが美しい。特に注目なのが椅子のコレクション。正しい姿勢のまま胃を圧迫せずに料理が楽しめるデザインになっているのだそう。

また、料理を盛る食器は茨城県笠間市を拠点に活動する陶芸家、鈴木麻起子が手がける『La Maison de Vent』のものを採用。通常よりも1.5〜2センチ小さなサイズで作ってもらい、料理の映え方も意識した。

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切れ味の悪いナイフだと肉汁が出てしまうので、最高の状態で肉が食べられるようにと、ナイフは特注で研いでもらっている(Photo: Kisa Toyoshima)

持続可能な「チームズレストラン」

そしてもう一点、「チームズレストラン」であることも同店の特徴だ。シオも「シェフズレストラン」から「チームズレストラン」への転換を進めているが、これは鳥羽一人に依存するのではなく、チームの誰がキッチンに立ってもおいしい料理が提供できるというシステム。朝、昼、夜と3部制で営業できるのも、いつでも安定しておいしい料理が味わえることも、全て「チームズレストラン」だからこそなせるものなのである。

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シェフの鳥羽周作(左)と木田翼(右)。カジュアルさと上品さを併せ持ったネイビーのユニフォームは新潟県の老舗縫製工場、K2ファクトリーのもの(Photo: Kisa Toyoshima)

来店客への愛、料理への愛、従業員への愛、そして飲食業界の未来が詰まったホテルズ。これまでとは一味違ったレストランをぜひ体験してみてほしい。

ホテルズの詳しい情報はこちら

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