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2022年11月10日、行列のできる自家製タコスの店として三軒茶屋で話題を集めた「ロス タコス アスーレス(LOS TACOS AZULES)」が、恵比寿の一角に「タコスバー(TACOSBAR)」をひっそりとオープンした。
モダンな扉を開け、店内に一歩足を踏み入れると、ブルーコーンからインスピレーションを得た藍色の壁面棚と、温かみのあるウッディーなカウンター席が出迎えてくれる。
ロス タコス アスーレスはブランチタイムにアラカルトスタイルで料理を提供する店だが、同店はオーナーシェフのマルコ・ガルシアが長年実現を夢見ていた、夜をメインにタコスの「おまかせ」だけを提供している。
メキシコ出身で、留学中に日本の食文化や繊細な料理の味わいに感銘を受けたというマルコ。メキシコの伝統的な料理製法を生かしつつ、焼き鳥や寿司の専門店のようにできるだけスピーディーに新鮮な状態で料理をサーブし、タコスを日本の「おまかせ」に昇華させることで、誰もやったことがない唯一無二のスタイルを世の中に広めていくことを決意したのだという。
ここでは、季節のトスターダ、タコス、デザートなど、旬の魚介を使った9〜10品の料理が味わえる「シェフのおまかせ魚タコス」(1万2,500 円、税込み、サービス料別)の一部を紹介しよう。
まず注目してほしいのは、サクサクとした食感がクセになる「桜エビのタコス」だ。香り高く、奥行きのある甘みを感じるトルティーヤの上には、アボカドのワカモレと揚げた桜エビがどっさり。清涼感のあるサルサ・ベルデのソースが具材の味わいをさらに引き立ててくれる。
北海道産のカンパチとユズの爽やかな酸味が絶妙にマッチした「カンパチのトスターダ」は、ふんわりとした魚とパリパリに揚げたトルティーヤの食感の対比が楽しい逸品。まさにメキシコと和の融合が感じられる。
濃厚な白子とピリッとした完熟ハラペーニョを包んだ「しらこのケサディーヤ」も味わい深い。辛味調味料の「かんずり」をメキシコ風にアレンジしたピリ辛のサルサが、白子のうま味を引き上げてくれる。
タコスを食べる時には、ぜひ料理を彩るうつわにも注目してほしい。ブルーを基調にしつつもどこか楽しげなデザインの皿は、陶芸家の矢尾板克則が手がけたもの。日本のうつわなのにメキシコらしさを感じさせる色と柄に心躍るはずだ。
「おまかせスタイルは日本料理の究極形だと思う。恵比寿という街でこの国でしかできない新しいタコスの形を追求していきたい」とマルコは新たな挑戦に向け、気を吐く。同店は予約必須なので、来店前には公式ウェブサイトをチェックしてほしい。ここでしか味わえないネクストレベルのタコスを体験しに、足を運んでみよう。
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『タコスバー』
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