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幾度もの危機を乗り越えてきた伝説のストリップ劇場が閉館へ

中国地方唯一の劇場が46年の歴史に幕

テキスト:
Hanako Suga
Photo by Duncan Kidd on Unsplash
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広島第一劇場は中国地方に残る唯一のストリップ劇場として知られ、映画『彼女は夢で踊る』の舞台にもなった広島の隠れた名所だ。ビルの老朽化から閉館が検討され、その都度危機を乗り越えてきた劇場だが、その歴史についに幕が下されることが発表された。

劇場を経営する福尾禎隆社長の会見によると、広島第一劇場は2021年5月20日(木)の営業を最後に閉館するとのこと。会見では、「私の力足らずで、常連のお客さんや踊り子さんたちにも申し訳ない」と寂しさを述べた。

原爆投下から30年後の1976年。広島第一劇場は、まだ更地だった繁華街の一角にオープンし、その後半世紀近くの間多くのファンに愛され続けてきた。全盛期は一日数百人が列をなす日もあったという。しかし近年、ストリップ業界そのものが衰退し劇場の数は日本全国で20軒に満たない。

2020年に公開された映画『彼女は夢で踊る』は、「閉館詐欺」を繰り返しながらもついに閉業を迎えることになった第一劇場の様子が描かれている。特に、踊り子たちの最後のステージは涙なしには見られない。消えゆく劇場と、そこに交差する人間模様。ストリップが単なる性風俗ではなく、深い魅力が詰まったエンターテイメントであることを見事に伝えている。

すでに劇場は、2017年に借地権の契約終了により閉店まで追い込まれたことがあった。しかし、全国から存続を願う署名が集まり再オープンを果たす。その後も借地権を更新しながら営業を続けてきたが、2021年5月をもって契約終了となり閉館することが決定した。

近年ではストリップがアートやエンターテイメントとして見直される動きもあり、女性客が足を運ぶことも増えているという。しかし、法律上の問題などから劇場が新設されることはなく、新型コロナウイルスの影響で業界はさらなる苦境に立たされている状況だ。何度も危機を乗り越えてきた広島第一劇場の閉館は、ゆくゆくは消えてしまうストリップ文化に、あまり時間が残されていないことを物語っている。

もし、まだストリップ会場に足を運んだことがないのなら、こちらのガイドを参考にその扉を開けてみてほしい。そこにはエロスだけでなく、感動と驚きが待っているだろう。 

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