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釜山の水上浮遊都市は2023年に着工予定

ビャルケ・インゲルスがデザインしたオセアニックス釜山

Ed Cunningham
テキスト:
Ed Cunningham
翻訳::
Time Out Tokyo Editors
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世界中に、海面上昇という暗たんたる予測に直面し、不確実な脅威を感じしている地域社会がある中、一つの野心的なコンセプトに光が当たろうとしている。それは拡大し続ける郊外に代わって、巨大な水上コミュニティーを建設するというもの。水上に浮かぶ都市であれば、海面上昇を心配する必要はないというわけだ。

そして今、そのコンセプトが韓国の釜山で進められている『オセアニックス釜山(Oceanix Busan)』というプロジェクトで、現実のものになろうとしている。

Oceanix Busan
Image: OCEANIX/BIG-Bjarke Ingels Group

このプロジェクトは、デンマークの建築家であるビャルケ・インゲルスが設立したオセアニックス(Oceanix)社、UN-Habitat、釜山市によるコラボレーション。水上浮遊都市と聞くと、遠い未来の空想のようにも感じるが、着工は2023年を予定している。そう、来年だ。

オセアニックス社によると、オセアニックス釜山は、世界で初めて作られる水上浮遊都市となる。同事務所では、このプロジェクトが沿岸都市が海面上昇に適応するための青写真となる可能性があると期待を寄せている。

デザインを見ると、この水上都市は、浮遊する「居住区」の集合体であり、区画同士、そして本土と水上の都市が橋でつながっていることが分かる。

6.3ヘクタールの敷地に広がるオセアニックス釜山は、初期の段階では、1万2000人のコミュニティーを形成する予定だ。ただオセアニックス社では、将来的に10万人の人口を収容できるようになるかもしれないと主張している。

Oceanix Busan
Image: OCEANIX/BIG-Bjarke Ingels Group

最初に作られるのは、3つの居住区。それぞれに居住と仕事のための複合スペースがあり、アート、ショッピング、飲食のための公共エリアが設けられる。バランスが取りやすいという理由で、居住区の建物は低層のものが中心だ。

オセアニックス釜山は、何万人もの人々に気候変動に影響されない住宅を提供するだけでなく、驚くほど環境に優しい施設でもある。建物のほとんどがソーラーパネルで覆われ、全てのエネルギーは敷地内で生成。水は、周囲の海から得たもの処理して賄う。また作物を育てるための広いスペースと温室も備わるという。

水上都市の建設地は、釜山の北港。敷地の大部分には、地元産で軽量、そしてもちろん完全に再生可能な木材が使用される予定だ。

Oceanix Busan
Image: OCEANIX/BIG-Bjarke Ingels Group

国連は、6億人以上の人々が海抜10メートル以下で生活していると見積もっている。もしオセアニックス釜山がうまくいけば、たくさんの人々が抱えている問題を解決に導けるかもしれない。今のところ、デザインが少しファンタジックだが、オセアニックス釜山が実際どんな水上都市となるのかは、非常に気になるところだ。

原文はこちら

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