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2021年3月25日、ニューヨーク市長であるビル・デ・ブラシオは、ワクチン接種、検査場の設置、観客管理などを含む、劇場業界を安全に復活させるための計画を発表した。
ブロードウェイをはじめとする劇場は、1年以上前から暗転しており、再開はこの秋以降になると見込み。その前提で市長は「今こそ幕を上げて、ブロードウェイの復興を始める時だ」と述べ、意気込みを見せている。
市によると今回発表した取り組みにより、ブロードウェイには劇場関係者専用のワクチン接種会場が開設され、オフ・ブロードウェイの劇場向けとして、可動式のワクチン接種設備が導入される。計画には、劇場そばにポップアップ式の検査会場を設置することや、公演前後の観客管理を実施することなども盛り込まれている。
新しいワクチン接種施設は4月以降に設置され、雇用を必要とする劇場関係者がスタッフとして配置される。ニューヨーク・タイムズ紙によると、市が設置する接種施設でのワクチンの接種対象者は、州が設定したものと同じものとなるとのことだ。
「我々は、ブロードウェイやオフ・ブロードウェイのコミュニティーを巻き込んで、業界の人たちに進んでワクチンを接種してもらいたいと思っている。遅くとも4、5週間後には、全員がワクチン接種の対象となることも分かっている。しかも、それがもっと早くなるかもしれない」
パンデミックでほとんど仕事をせずに過ごしてきた多くの人々にとって、このような計画の発表は新しい希望のシグナルとなるだろう。
2021年3月4日にニューヨーク州知事は、4月2日からアートやエンターテインメント施設を33%の収容人数(屋内は100人、屋外は200人が上限)で営業再開できると発表していた。
25日の記者会見では、俳優兼歌手のテリー・レオンが短いスピーチを行い、ニューヨークでは「ブロードウェイに光が戻ることを切望している。今日は私たちが回復するための本当に素晴らしい第一歩となった」と述べた。
俳優組合エクイティのエグゼクティブ・ディレクターであるメアリー・マッコールは、業界の復興の兆しが見えたことについて、次のように喜びを語っている。
「本日の発表は、強力な劇場業界が健全で強力な経済を意味するという、ニューヨーク市の重要な認識を示すものです。市長は私たちの仕事でソーシャルディスタンスを保つのは難しいこと、安全な職場を維持するためには、ワクチンや検査の提供が不可欠なことを明確に理解しています。私たちはパンデミックの間、市のメディア・エンターテインメント局と、安全性について定期的に話をしてきました。私たちの声が届いたことは明らかで、市は演劇界全体のためになるような前向きな政策変更を推進してくれています。私たちは市長のリーダーシップに感謝しています」
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