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2022年5月14日(土)、台東区三筋にバーテンダーの野村空人(のむら・そらん)が構える初の実店舗として、ノムラショウテン(NOMURA SHOTEN)がオープンした。台東区三筋はあまり聞き慣れない地名かもしれないが、大江戸線新御徒町駅からは徒歩数分、JR御徒町駅からは徒歩15分ほどだ。文化的な雰囲気が漂う蔵前駅周辺からも徒歩圏内で、下町感がある住宅街に位置している。天気の良い日には心地いい散歩コースとなりそうだ。
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野村はロンドンで約7年間バーテンダーとして活躍後、フグレン トウキョウ(FUGLEN TOKYO)でバーテンダーとして数々の賞を受賞した。2017年には独立し、バーやドリンクのコンサルティングブランド『ABV+』を発足。その後も、兜町のホテル、ケーファイブ(K5)のバープロデュースをはじめ、数々のカクテルやドリンクのメニュー開発やディレクションを手がけている。
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野村自身初となる実店舗、ノムラショウテンは、こだわりのスピリッツとつまみが楽しめる「タチノミ・リカーショップ」だ。オンライン販売と実店舗販売を掛け合わせることで、家飲みのアップデートを提案する。
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リカーショップでは、野村自身がプロデュースしたボトルドカクテル『A(B)Vation+(アビエーションプラス)』をはじめ、首里最古の蔵元として知られる瑞穂酒造が沖縄で発足したラム造りプロジェクトによる「ONERUM Single Island Series」、宮崎県の『松露酒造』をはじめとした焼酎各種ほか、厳選したクラフトビール、ナチュラルワインなどを販売する。
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角打ちスペースでは、ワインやクラフトビール、好きなスピリッツをソーダ割りやトニック割りで提供。ショップで販売する酒の味を確かめ、購入することも可能だ。今回試したのは、鹿児島県にある大山甚七商店の新ブランド『山大一』の第2弾『YAMADAICHI 山大一 Matured えい紫 2016』。希少度の高い逸品で、原材料のサツマイモは色鮮やかな『えい紫』を使用する。
2016年11月に蒸留した無加水の焼酎で、「おすすめの飲み方を」とお願いしたところ、野村は「ソーダ割ですね」と即答。「芋らしい芋に香りが付いている。王道とヒップの真ん中の味」と解説するように、知らずに飲んだら芋焼酎だと気付かない人も多いのではないだろうか。そのほか、波照間産の黒糖を使った、瑞穂酒造の『ハテルマ・アイランド・ラム(HATERUMAISLANDRUM)』など、気になるアルコールがめじろ押しだ。
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フードメニューは、ケーファイブ内のレストラン、ケイブマン(caveman)のヘッドシェフである熊取谷准(ひしや・しゅん)が監修。『豚の角煮のバオ』(850円)、『焼き野菜とナッツソースのバオ』(850円)などのワンハンドメニューをはじめ、『鶏胸肉とポテトサラダの生春巻き』(800円)、『しめ鯖リエット黒米チップ』(800円)、『ハツとチンゲン菜の炒め物』(1,000円)魅力たっぷり。『母のドライカレー』(1,000円)はその名の通り、野村の母親のレシピで仕上げている。
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店舗デザインは、フグレン トウキョウなどを手がけてきた福田和貴子が担当。もともと倉庫だった躯体(くたい)を生かした、開放的な内装だ。
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三筋にオープンを決めた理由は、店舗の目の前にある銭湯、三筋湯の存在が大きかったという。「営業時間は、『三筋湯』に合わせました(笑)」と野村。なるほど、銭湯とセットで酒を楽しむのも悪くない。
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単に酒を販売するだけでなく、世界中の人と酒の間に立ち、豊かな時間を紡いできた野村だからこその空間、ラインアップとなっている。
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